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2024年11月21日

新潟市・市街化区域編入見直しで仰天のちゃぶ台返し発生

2024年11月01日

総選挙の陰に隠れ、新潟市では重大な事態が進行中だ。昨年、同市は「都市計画区域区分(線引き)の見直し」で、新たに14地区を市街化区域の編入候補に選定。〈令和6年度中の都市計画変更を目指します〉としていた。ところが10月に入り、「今年度中の見直しは2地区だけ」となっている。その理由はほとんど告げられず。突然の「ちゃぶ台返し」みたいな話に、一時はパニック状態に陥った関係者もいたとか…。

 

〝都市計画パニック〟発生

 

10月2日のことだ。新潟市内の開発業者がこう言った。

「ここにきて大変なことになりました。新潟市では来年3月をめどに、市街化区域への編入を行うことになっていたんです。それが本日、〝1年延びます〟といった情報が入り、騒ぎになっています。市街化区域への編入候補になっていた各地区では、〝来年の耕作(稲作)はない〟という話をしているさなかで、遅延の理由はまったく分かっていません」

 

混乱のさなかでの第一報だった。そのため、この内容はそのまますべて正しいわけではない。

 

都市計画の話はとっつきにくい。「市街化区域への編入」や「線引き見直し」と言っても、そう馴染みがあるものではない。下世話な部分のみを申し上げれば、ざっと以下のようだ。

 

新潟市は全域が市街化区域と市街化調整区域に分かれている。前者は既に市街化している区域、そしておおむね今後10年以内で優先的に市街化を図る区域のこと。後者は市街化を抑制する区域だ。

 

市街化区域は住宅や商業施設などが密集しているイメージで、市街化調整区域は農地や緑地が広がっているといった感じだ。後者では原則として建物を建てることができないなど、開発に制約がある。

 

市街化区域と市街化調整区域の区分など、都市計画を見直すことを「線引き見直し」と呼んでいる。新潟市では昭和45(1970)年の第1回から、平成23(2011)年の第5回まで、市域全体の見直しを実施してきた。

 

例えば、これまで市街化調整区域だった田んぼが市街化区域に編入されたらどうなるか? 田んぼなど、農地は今や売りに出しても買い手がない状況だ。米を作っても赤字だったものが、市街化区域に編入され、宅地や商業地になれば、坪20万、30 万、反当で6千万円、9千万円だ。もちろん造成費やら何やらもかかるわけだが。

 

市街化区域の編入は、田んぼ1枚、2枚の話ではない。一定のエリアが編入されるから、1地区だけで数十億円の事業になる。

 

冒頭の話に戻ると、「来年3月をめどに、市街化区域に編入予定」が「1年延長になった」という情報が流れた。地権者にしてみれば、ついつい当て込んでしまうのが人情というもの。正式に市街化区域に編入される前から、既に「仏壇を買いました」だの、「娘に車を買ってやりました」などという話になるのが世の常だ。それが突然「1年延期」とされれば騒ぎにもなる。まさに〝都市計画パニック〟発生だ。…続きは本誌で

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