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2024年11月21日

「下手な自治体」と批判された県債管理基金の運用実態

2024年11月01日

県債管理基金とは、県が県債を償還する目的であらかじめ確保している財源のことをいい、債券や預金などで運用する。この県債管理基金のお粗末な運用実態が県議会9月定例会で明らかになった。全国を見渡すと、本県に比べて10倍もの運用実績を上げている自治体もあるというのだから、到底看過できるものではない。本県はなぜこれほどまでに運用が下手なのか? そして今後どう改善していけばよいのか?

 

本県は「運用が下手な自治体」と一刀両断

 

9月26日に行われた県議会9月定例会の代表質問に登壇したリベラル新潟の小泉勝議員(見附市選出)が、県財政の課題をテーマに以下のように切り出した。

 

「我が会派で自治体の県債管理基金の運用実績を調査しました。 それによると、基金の運用利回りが0・5%から1・0%程度の運用が上手な自治体と、その10分の1以下である0・05%程度の運用が下手な自治体に二極化しています」 (小泉議員)

 

一口に地方自治体といっても、県債管理基金の"運用が上手な自治体"と"運用が下手な自治体"があるというのだが、果たして本県はどちらなのか?

 

小泉議員は本県の運用実態について「新潟県公金管理方針によれば、安全性および有利性の確保を図ることを前提とした上で、 可能な限り有利な管理を行うとしていますが、他の団体に比べ大きく劣っているこの不十分な運用は、 県民の利益に反しています」と前置きした上で、具体的な数字を挙げて以下のように続けた。

 

「県の資料によれば、平成25年度の県債管理基金満期一括償還分の期首残高は約1262億円であり、運用利回りは0・06%、運用益は約7000万円であります。一方、 原資は借り入れであり、支払い利率は加重平均で1・43%、支払い利払額は約18億円であります。

 

要するに18億円の金利を支払いながら約1262億円を借り、その運用で7000万円儲けていると言っているだけです。平成25年度1年間で約17億3000万円の損を出しています。

 

平成25年からの10 年間で、運用益と支払い利払額の差、つまり満活基金運用損は124億円に上ります」 (同)

 

小泉議員が指摘する事実は県の運用の仕方が極めて非効率的であり、県民が納めた税金や借金が無駄に使われていることを意味する。他の自治体が0・5%から1・0%程度の運用利回りを実現しているにもかかわらず、なぜ本県の運用利回りは0・06%と超低空飛行なのか?…続きは本誌で

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