これは助かる⁉ 大学給付型奨学金・学費免除一覧
2024年09月27日
受験校を具体的に考え始め、出願準備に入ると、同時に脳内をよぎるのが「カネ」の心配。親だけが心配しているようで、実は受験生も(かなり)気にしているもの。「共テまでは合否や成績以上に費用のことが気になっていた」という受験生もいたほどだ。先立つものがなければ行きたい大学すら受験できない場合もある。そこで学費や大学生活にかかる費用を確認しつつ、給付型奨学金を知ることで少しでも不安を和らげてもらいたい。
日本の学生支援策は「高負担・低支援」
私立大の学費は、国公立大の5倍も高い時代があった。現在は約1・5倍まで格差が縮小。国公立大の学費上昇幅が大きかったことで差が縮まった。
「国公立大のほうが私立大より安いとはいえ、初年度納付金82万円、年間授業料54万円はかなりキツイ」
とは、ある巨大企業勤務のサラリーマン氏。年収は高いであろう人でも年間数十万円の出費はキツイと漏らす。いままた、東京大が授業料の値上げ方針を公表。同様に値上げを検討している大学もあるようで、国公立大の授業料がさらに高くなる可能性が出てきている。
「国公立大は安い」などと言えない時代が到来しそうだ。
大学生は本当にお金がかかる。学費の他に、私立大なら施設設備費などが数十万円上乗せされる。教科書代もあるし、実験・実習、課外活動なども基本的には実費だ。1人暮らしをすればアパート代、食費、水道光熱費などがさらに増す。
途方もないお金が飛んでいきそうなことは想像がつくも、実は具体的にいくらかかるのか分からないという受験生の保護者は少なくない。「その上、奨学金は借りるのも給付されるのも複雑すぎて給付対象なのか対象外なのか、いくら借りられるのかさえ分かりづらい」(高3生の母親)
そんな嘆きも聞かれる。
日本の授業料・学生支援政策は「高負担・低支援型」だそう。あるドイツ人学者は歓迎されないケースとして日本の政策を紹介した上で、「もっとも驚くべき組み合わせ」と言っている(中
央公論2024年10月号64、65頁)。大きな出費を強いられる割に受けられる支援が不足しているのが日本だという。なるほど、高収入層でも嘆き節が出るわけだ。
我が子が大学に進学して嬉しくない親はいない。しかしながら、金銭面の不安は尽きない。複雑なのだ。
本稿では主に県内大学の学費をまとめた上で、学生の生活費や奨学金受給割合などの平均額を考察し、さらに民間や大学が行っている給付型の奨学金を紹介していく。
表1は県内大学の初年度納付金と、うち入学金・学費・その他の費用をまとめたものだ。
国公立大の学費(授業料)の標準額は53万5800円。大学の判断で2割まで増額できる(上限64万2960円)。県内を含むほとんどの国公立大は標準額。増額している大学は東京工業大、東京芸術大、一橋大、千葉大、東京医科歯科大、東京農工大の6校だ(東京工業大と東京医科歯科大は10月に統合し、東京科学大として開学予定)。
国立大で学費が標準額だと、初年度は入学金の28万2千円が上乗せされ、計81万7800円を納付することになる。大学への納入は年2回の分割払いが一般的だ。
公立大は、国立大より高くなるケースと安くなるケースがある。新潟県立大と新潟県立看護大は、県内生の入学金は国立大と同じ28万2千円だが、県外出身者は倍の56万4千円にしている。一方で長岡造形大と三条市立大は、市内出身者を14万1千円と半額にしており、総額も国立大に支払う額より安い。
県外の公立大に進学を考えている場合は、「県外生」の入学金額と、表の「その他」に当たる諸費用額を確認しておくといいだろう。…続きは本誌で