佐渡市長VS前議長 議場内で期待されたある論戦
2024年07月26日
2期目を迎えた佐渡市の渡辺竜五市長だが、その議会答弁はまさに「立て板に水」で拍手喝采ものだ。中身もキッパリとしていて、例えば佐渡空港に就航予定のトキエアについて、「佐渡から飛ばない航空会社にお金を出すつもりはございません」と答弁。ごもっともな内容なのだが、「そのぶっきらぼうな言い回し、何とかならんか」と言いたくもなる。
市長答弁は「立て板に水」
佐渡市の渡辺竜五市長はただ今2期目。もともと同市長は旧相川町時代からの叩き上げ職員だった。市を退職してから2年後、令和2(2020)年の市長選に出馬。再選を目指した現職らを破って初当選した。
渡辺市長は実に運がいい。再選を決めた今年4月14日の市長選は無投票だった。さらに「佐さど渡島の金山」がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に認定されれば、同市長の名は歴史に刻まれ、ワールドワイドでその名がとどろく。
「佐渡島の金山」について登録の可否を審査する世界遺産委員会だが、7月21日から同月29日の開催予定だった。会場はインドのニューデリー。残念ながら、月刊誌の都合からその結果はお伝えできない。実現すれば、ユネスコの世界遺産暫定リストに記載されてからだけで、実に14年後のことだ。
世界遺産委員会を前にした時期、佐渡市議会6月定例会が開催された(6月14 日~7月1日)。同市議会(定数21 )は市長選と同じ4月14日に改選された。新メンバーとなって初の定例会では、14人が一般質問に立ち、渡辺市長ら市の幹部と論戦を交わした。
一般質問でトリを取ったのが前議長の近藤和義議員。市議として6回、合併前の旧金井町議として4回当選の大ベテランだ。同議員は「全国離島振興市町村議会議長会」(離島議長会)の副会長、会長を務めた経験もある。
議長だったこともあり、近藤議員の一般質問は2年ぶり。その質問は「世界遺産」、「トキエア」、「航路の島民負担」、「人口減少、少子・高齢化対策」と、多岐に及んだ。
この定例会に限らず、議会における渡辺市長の答弁は、まさに「立て板に水」。理路整然としてよどむところがない。同市長と、大ベテラン議員による丁々発止のやり取りが期待された。…続きは本誌で