談合の温床! 県発注工事のなれ合い体質
2024年07月26日
昨年発覚した官製談合事件を受け、県では入札改革を実施した。既に7月から7千万円以上の案件について、これまでの指名競争入札ではなく、一般競争入札が導入される。だがそれでも不変と思われる入札状況がある。発注側と業者側とのなれ合いの産物とも思われる。その実態をまず見ていただきたい。
舗装工事の偏向入札結果
ある老舗の建設業者がこう言った。
「県村上地域振興局の舗装工事に関する入札結果を見ていただきたいんです。それを見れば、一般の人もおかしいと思うはずです」
県内には村上から糸魚川まで、さらに佐渡など、12の地域振興局がある。県の工事や委託業務はこれらの出先機関が主に発注している。地域振興局で主な発注部署となっているのが地域整備部と農林振興部だ(各振興局によって組織は必
ずしも同一ではない)。
前者は前身が各地にあった県の土木事務所で、主に道路や橋梁などに関する工事や業務を発注している。後者は前身が県の農地事務所で、主に農地のほ場整備などに関する工事や業務を発注している。昨年9月、新発田地域振興局で官製談合事件が発覚。県の部長や業者の顧問、役員らが逮捕された。その舞台となったのが、同振興局でも農村整備部が発注した農地に関する工事の入札だった。
県が発注する工事や業務の入札について、その結果などはネット上で誰でも随時確認することができる。県の入札情報サービスによれば、村上地域振興局(地域整備部)が発注した舗装工事の入札結果は別掲のとおり(令和5年度、同6年度分)。
冒頭の業者が指摘したとおり、誰が見ても違和感が残る。村上地域振興局の地域整備部では、令和5年度で17件、6年度(7月中旬時点)で5件、舗装工事に関する入札が合計22件行われていた。
昨年発生した官製談合事件からの入札改革により、県の発注工事でも7千万円を超えるものは一般競争入札が導入されることになった(本年7月から導入)。別掲した村上地域振興局の舗装工事は、すべて指名競争入札で業者選定が行われた。
その結果なのだが、あらためて解説するまでもなく、一部の業者にはなはだしく偏っている。令和5年度の落札件数は、福田道路が8件、朝日舗道が8件、東亜道路工業が1件。令和6年度は福田道路3件、朝日舗道2件。令和5、6年度の合計で、福田道路11件、朝日舗道10件、東亜道路工業1件。
それぞれの入札で指名業者が福田、朝日、東亜の3者に限定されているわけではない。各入札では10者ほどが指名されている。理由は後述するが、舗装工事という特性から、落札業者が一部に固定されるというのは本来あり得ない話だ。
村上地域振興局の地域整備部が発注した舗装工事の入札結果は明らかに異様だ。…続きは本誌で