「1日3食で健康維持」に根拠なし!?
2024年06月27日
「1日3食しっかり食べています」―。健康体の人がよく口にする言葉だが、1日に3回の食事は本当に理にかなっているのだろうか? そもそも「1日3食」を言い出したのは誰なのか? 調べてみると意外な人物のある思惑が浮かび上がってきた。
江戸時代の庶民の摂取エネルギーを試算すると…
戦中戦後、貧しかった日本人は「1日3食」の食事を取ることなど到底無理だった。昭和20年代の国民は総じて栄養不足だったといわれており、栄養摂取が良好な状態になったのは昭和55年頃だとされる。
50代の男性が話す。
「小学校に入学して初めて給食を経験したわけですが、先生からは〝1日3食しっかり食べなさい〟と教えられて育ちました。大人になってからも医師や管理栄養士から同じことを言われ続けています」(50代男性会社員)
日本人が1日に3回食事をするようになったのは江戸時代中期からだといわれている。ただし、その当時の食事は一汁一菜が基本であり、満足に栄養が摂れていたとは言い難い。
ある経済人が話す。
「テレビドラマ『必殺仕事人』で主人公の同心、中村主水が食事をする場面が必ず出てきますが、メニューは決まってご飯とメザシと味噌汁です。〝ムコ殿〟こと中村主水は架空の人物ですが、時代考証を踏まえて江戸時代の下級武士の食事があの程度なら、長屋住まいの庶民の食事はもっと粗末だったことになります」 (会社社長)
ものは試しに、管理栄養士に中村主水の1食当たりの摂取エネルギーを試算してもらったところ、以下のような答えが返ってきた。
「ご飯がお茶碗1杯150㌘だとすると230㌔㌍。小さめのメザシが1匹当たり36㌔㌍だとして、4匹で144㌔㌍。味噌汁の具は不明ですが、わかめと豆腐だとすると44㌔㌍くらいでしょうか。そうすると1食当たりの摂取カロリーは計418㌔㌍となります」 (新潟市の管理栄養士)
この食事を1 日に3 回取ったとすると総摂取カロリーは1254㌔㌍。中村主水は家では飲まないお酒を外で飲んだり、間食に団子を食べたりすることから、これらを合算しても1日の総摂取カロリーは概ね2000㌔㌍以内に収まっていたものと推測されるという。
前出の管理栄養士がいう。
「直近では少年隊の東山紀之さんが中村主水役をされていましたが、男性の1日の摂取エネルギーが2000㌔㌍を下回っていたのだとすれば、東山さんが演じる中村主水のあのスリムな体型は十分に維持できると思います」 (同)
そういう視点でドラマを見ると、たしかに時代劇に出てくる庶民は肥満体の人が皆無だ。
前出の経済人がいう。
「時代劇で太っているのは悪代官や悪徳商人など、悪役ばかりですよ」 (会社社長)
これがまさしく私腹を肥やすということか…。…続きは本誌で