関川村 道の駅 突如の委託取り消しは仕組まれたクーデターだった⁉
2024年05月29日
昨年7月のこと。関川村の「道の駅 関川」にある物産館・直売所、「ちぐら館&あいさい市」のテナント事業者が村から契約を取り消された。この事業者を「ビジョンも行動力もない」などと非難する文書を村に提出していたのが元店長だった。そして職員らと一斉退職し、これをきっかけとして、村は事業者への委託決定を取り消した。そして元店長らは村の外郭団体に迎えられ、物産館などの運営に当たっている。一連の経緯は「仕組まれたクーデター」ではなかったか…?
事の発端
関川村の発足は1954(昭和29)年8月1日。今年で70年、人で言えば古稀を迎える。同村の加藤弘村長は、その翌年の生まれだとか。それはともかく、村内にある「道の駅 関川」で異変が勃発したのは昨年7月のことだった。
「道の駅 関川」は山形県境に位置する関川村を通る国道113号沿い、国指定重要文化財である渡邉邸の近くにある。開設・登録は1993(平成5)年。県内にある道の駅としては古参で、規模も大きい。道の駅のエリア内には「桂の関温泉ゆ~む」、物産館・直売所の「ちぐら館&あいさい市」、せきかわ観光情報センター「にゃ~む」などがある。昨年夏には子ども向けの大型遊具も整備された。
関川村の一大イベントは、何といっても8月下旬に開催される「大したもん蛇まつり」だ。これまでコロナ禍や一昨年の豪雨災害で開催が見送られていた。だが昨年、4年ぶりに復活。名物は長さ82・8m(かつてこの地を襲った『8・28水害』を後世に伝えるための長さ)、重さ2tという、わらと竹で作られた大蛇のパレードだ。8月の最終日曜に行われる。そのゴール地点は「道の駅 関川」の「ゆ~む」前。
昨年、異変が生じたのは道の駅にある物産館・直売所の「ちぐら館&あいさい市」だった。関川村から委託され、施設のテナントとなっていたのが村内企業のヤマサ商事。その同社に対し、関川村の加藤弘村長名による文書が示された。文書の日付は7月7日、表題は以下のよう。「地域文化交流施設『ちぐら』及びあいさい市テナント受託事業者の決定取消しについて(通知)」。
内容は後回しにするとして、「施設の明け渡し期日」は令和5年7月31日(月)となっていた。ヤマサ商事側が実際に文書を受け取ったのは同月11日だったという。これでは施設の明け渡し期日まで20日しかない。
使用者が労働者を解雇する場合だって、少なくとも30日前に解雇の予告をする必要がある。「極めて性急な受託事業者の決定取り消し、施設の明け渡しといった感は否めない」。そんな指摘もある。…続きは本誌で