副市長のトンデモ発言が罷り通る長岡市は“格落ち”如実
2024年04月30日
長岡市の大滝靖副市長が、市議会議員に向かって「(議案に)反対するなら市長は応援しない」と、ほとんど脅しまがいのセリフを吐いた。しかも会派に所属する議員全員にだ。かつての長岡なら、たちどころに問題視され、副市長の更迭もあり得たかもしれない。この発言について、市議会の議長は何の抗議もしないという。「米百俵」や「互尊」の高邁な精神はどこへやら。長岡の格落ち感は否めない。
四度目の正直、53億円でも不安が…
市議会議員の多くは、内心「もういい加減にしてくれ」と思っているのではないか。同様に感じている市民も少なくないはず。近頃の長岡市についてだ。昨年世情を騒がせたのが、同市が発注した大型工事に関する入札での「3回連続取り止め」だ。中心市街地で進む再開発事業、「米百俵プレイス」関連の建築工事だった。
JR長岡駅大手口から信濃川の方向、即ち西へ延びるのが市街地のメーンストリート、大手通り。駅を背に大手通りの左側にあるのが「アオーレ長岡」で、アリーナ、屋根付き広場のナカドマ、市役所が一体となった複合施設だ。大手通りの反対側、「アオーレ」の北西に位置する市街地(大手通坂之上町地区)では、UR都市機構が施行者となった再開発事業が進められている。かつてこの地には「米百俵の精神」から誕生した国漢学校があったという。それゆえ再開発地区の全体が「米百俵プレイス」と呼ばれている。
この再開発事業では4棟の建物が新設される。このうち駐車場、医療施設などの「米百俵プレイス北館」は昨年6月に工事が終了。地区の西側に位置するマンション、「プレミスト大手通」は昨年7月に分譲を開始した。
昨年7月22日に華々しくオープンを迎えたのが旧長岡大和、旧長岡商議所の跡地に建設された「米百俵プレイスミライエ長岡(西館)」だった。10階建てで、第四北越銀行が1、2階と、6階から10階までを取得。3階から5階が市立図書館の互尊文庫などが入る「ミライエ長岡」だ。
この「西館」と「パッサージュ棟」(アーケードのような歩行者専用通路)棟で結ばれるのが「米百俵プレイス東館」。「東館」は旧北越銀行本店の建物を全面的に改修(リノベ)して建設される。この「東館」の建築工事に関する入札が3回連続で成立せず。そのため「東館」のオープンは、令和7年度中から同8年度にずれ込むことになった。
詳細は省略するが、入札が成立しなかった主な原因は、市が設計した価格と、業者側が積算した額が大きく食い違ったこと。要するに市の設定額が大幅に安すぎた。「東館」の建築工事に関する入札は1回目が昨年5月、2回目は6月、3回目が8月10日に実施された。「(東館の)建築工事につきましては、1回目の入札が取り止めとなった後、同じ条件で2回目の入札を執行いたしましたけれども、再入札への参加者がいなかったため、取り止めとなりました。そのため、要件を見直して3回目の入札を執行いたしましたが、再入札における最低入札価格が予定価格を超過したことにより、取り止めとなっております」(昨年9月、議会での市側の答弁)
予算を27億円上乗せして行われた4回目の入札は今年2月9日に開札を迎えた。結果は「清水・加賀田・大石企業体」が53億円で落札した。これで万々歳かといえば、そうでもないらしい。建設業界の関係者はこう言う。
「入札に際して発注者と業者側との間で行われた質疑応答が公開されていて、一部は市議会でも指摘があったようですが、これらの内容からすると不安が残ります。リノベして、さらに西館とパッサージュ棟でつなぐことになる旧北越銀行本店を施工したのが清水です。清水は旧北銀本店の図面を持っているんです。
清水側の図面と、発注者側の図面で、例えば溶接個所など様々な個所数が合わないんですね。〝どっちの図面を信じればいいんだ?〟という状況らしいんです。発注者側は、こうしたケースについて〝事後協議で〟と回答しているのですが、契約金額をさらに増額せざるを得ない状況も想定されます」…続きは本誌で