裏金よりも使途不明⁉ 政党交付金の使い道
2024年04月30日
自民党の派閥によるパーティーをめぐる裏金事件だが、まさに脱税とも言うべき事態で、国民の怒りをかっている。同党関連でいえば、政治資金に関して不明朗な部分がまだある。国民が負担して賄われる政党交付金の使途についてだ。自民党の場合、衆院選の年に各選挙区支部への交付金は支部の代表者、すなわち公認候補に百万円、千万円単位で寄附されている。そこから先、何に使われたのか一切明らかにされていない。
前回衆院選の年、自民、立民で3億円
1月17日、総務省は「政党助成法に基づく政党の届出(令和6年1月1日)の概要」を発表した。何やら分かりにくい言い回しだが、要するに「今年、どの政党にいくらの政党交付金が支給されるか」の根拠を示したものだ。
政党助成法に基づき、所属する国会議員の数(1月1日現在)や過去の国政選挙の得票数に応じ、届け出を行った政党に「政党交付金」が支給される。共産党は支給要件を満たしていても届け出を行わないので支給されていない。
この政党交付金だが、80年代、90年代に発生した汚職事件などを受け、「国が政党に対して政党交付金を助成することで、政党活動の健全化を図る」という目的で成立した。といって本当に健全化したか、大いに疑問だ。
政党交付金の総額は人口×250円で、今年分は全体で推計約315億円になる。最も高額が自民党の160億円、次いで立憲民主党が68億円、3位が日本維新の会で33億円。交付される9政党中で最も少なのいが、教育無償化を実現する会で1億1千万円(推計による概算)だ。
政党全体の支給額は前述のようだが、気になるのは本県関係の政党では、どこにどれだけの政党交付金が支給され、何に使われているかだ。政党の本部に支給された政党交付金は、各支部や各地の支部連合に交付されている。その額や使途は総務省で公開されていて、同省のウェブサイトで閲覧することが可能だ。
令和3(2021)年は10月に衆院選が行われた。この年、県内の自民、立憲民主の国会議員に関連する政党支部に、政党交付金がいくら入ったかは別表のよう。衆院議員の選挙区関連の支部では、平時は年間で数百万円の交付金が、選挙の年は千万円単位に膨れ上がっている。こうした事情は自民も立憲民主も変わりがない。
選挙区関連の支部のほか、自民であれば党県連、立憲民主なら県総支部にも政党交付金が党本部から交付されている。令和3年分で衆参両議員の選挙区関連支部に入った政党交付金は自民、立憲民主を合わせて約2億6千500万円。これに党の県組織に交付された政党公費金を合わせた全体で、ザックリと言えば自民が2億円、立憲民主が1億円、両党の合計で3億円といったところだ。…続きは本誌で