阿賀野市長選は“十里霧中”
2024年03月27日
4年に1度、オリンピックの年にやってくる阿賀野市長選。その投開票日まで1カ月を切った。3月の時点で立候補を予定しているのは4人。同市が誕生して20年、市長選でこれほどの数が名乗りを上げるなど前代未聞の事態だ。五里どころか十里四方が霧に包まれ、前後左右、方角も分からないほど混沌とした情勢だとか。
選手団入場
今年は4年に1度の閏年でオリンピックイヤーだ。そして、こちらも4年に1度の阿賀野市長選が行われる。2012(平成24)年はロンドン五輪だった。この年に三つ巴戦を制して初当選したのが、県職員だった現在の田中清善市長だ。その4年後、2016(平成28)年はリオ五輪。この年に行われた選挙で、同市長は前の市長である天野市栄氏(現市議)を一蹴し、再選を果たした。
2020(令和2)年、コロナ禍で東京五輪は延期になった。だが阿賀野市長選はきっちり行われた。現職、そして天野元市長を含む3人で争われた選挙戦で、田中市長は圧勝して3選を達成。
パリ五輪の今年、オリンピックは7月からだが、阿賀野市長選は4月14日告示、同月21日に投開票が行われる。残念ながら市長選の選手団…、ではなく立候補予定者に現職である田中清善市長の名がない。同市長は既に4選不出馬を決めている。
3月下旬の時点で4月の阿賀野市長選に名乗りを上げているのは4人。2町2村の合併で阿賀野市が誕生したのは2004(平成16)年だった。今年〝成人〟の同市にとって、市長選の立候補予定者が4人など過去最多、前代未聞の事態だ。
オリンピックなら上位3人が表彰台に立つことができる。だが市長の椅子はただ一つで、メダルは金一つしかない。
出馬の意向が伝えられた順に選手団を紹介すれば、筆頭が昨年春まで新潟市議(秋葉区選出)を務めた阿部松雄氏。市議時代、あるいはそれ以前の旧小須戸町議時代から、「阿部松さん」と呼ばれている。同氏は市内でも旧京ヶ瀬村の出身。
次いで昨年12月に阿賀野市議を辞職した加藤博幸氏。同氏は旧水原町の出身。1期目だったこともあるが、市議というよりもっぱら「加藤獣医」としてその名が知られる。
3番手は元市長の天野市栄市議。市長に初当選したのは北京五輪が開催された2008(平成20)年。4年後、再選を目指したが果たせず。今回、市長選に出馬すれば5回連続のエントリーだ。同市議は旧笹神村の出身。
そして4番手は「維新の会」が擁立する大手通信会社の社員、46歳の遠藤寛和氏。旧京ヶ瀬村の生まれで同地区在住。3人の子どもを持つシングルファーザーで、上の2人は既に社会人。1人が県内の国立大学に在学中だという。…続きは本誌で