「断酒・減酒」 厚労省ガイドラインを試してみたら…
2024年02月27日
厚生労働省の検討会は2023年11月末、アルコールによる健康被害を防止する目的で、年齢や体質に応じた留意点などを盛り込んだガイドライン案を取りまとめた。ガイドライン案によると、生活習慣病リスクを高める飲酒量は、1日当たりの純アルコール量換算で「男性40㌘以上、女性20㌘以上」とされた。純アルコール量40㌘はビールなら500㍉㍑のロング缶で2缶、日本酒なら2合弱に相当する。これを聞いて酒好きの面々からは「それでは少なすぎる!」との声が上がったが、一方では断酒や減酒に挑戦した殊勝な人たちも少なからずいたようだ。その後日談をリポートする。
飲酒ガイドライン案に異論を唱える呑兵衛3人組
JR新潟駅前の居酒屋で飲んでいた40代男性が話す。
「正直言って、国が示したガイドラインはショッキングでしたね。ビールなら500㍉㍑のロング缶で2缶、日本酒なら2合弱だといいます。個人的な感想を申し上げれば、少ないどころの話ではありませんね(笑)。
たしかに家での晩酌であればそのくらいの量で満足する人は多いでしょう。でも、その程度の少量の酒を飲むためにわざわざ飲食店に足を運びますかね? これから春の歓送迎会シーズンを迎えますが、居酒屋で飲み放題コースをオーダーしたグループのメンバーがみんなその程度の酒の量で切り上げてくれたなら、店側は大儲けではありませんか(笑)」(40代男性会社員)
念のため断っておくが、厚労省は決して「お酒をたくさん飲むな」と言っているわけではない。「一定量以上のお酒を飲むと、生活習慣病リスクが高まりますよ」と言っているにすぎない。
とはいえ巷間の酒好きはそうは受け止めていない。
前出の居酒屋で同じく飲んでいた60代男性はこういう。
「私たち酒飲みはお酒を飲むのと引き換えに、高い酒税を納めて国に貢献しているのです。これは20歳になる前から(?)長年続けている、いわばライフワークのようなもので、今さらとやかく言われたくはありませんね。
ちょっと前を思い出してください。コロナ禍の緊急事態宣言で飲食業界が壊滅的なダメージを受けましたが、宣言解除後にいち早く飲食店に出向いてお金を落としたのは私たち辛党です。
あのとき日本酒2合などというケチな飲み方はしていませんでしたよ。ならば私たち酒飲みは、自分の健康を顧みずにお酒を飲んでいたということなのでしょうかね?(笑)」(60代男性自営業者)
酔いが回れば舌もよく回るものだ。同じ席でこの話を聞いていた50代男性が前出の二人に向かってこんなことを言い出した。
「断酒とは言いませんが、試しにお酒を減らしてみますかね? これまで断酒や減酒の経験はありませんが、果たして続けられるのかどうか自分でも興味があります。体調面に変化があるかもしれませんし。お二人もとりあえず減酒を1カ月間続けてみませんか?」(50代男性会社員)
これに対して40代男性、60代男性は異口同音に「やってみようじゃないか」―。かくして年代の異なる3人の男性が減酒に挑戦することになったのだった。…続きは本誌で