指定管理を巡るどんでん返し 新潟市・市長与党への“超忖度”
2024年01月28日
これは前代未聞と言わねばなるまい。新潟市はいったん市議会に上程した指定管理の選定に関する議案を、市長与党の最大会派から、「選定された業者が気にくわない」という大声が上がったことから取り下げた。ここまでは昨年12月定例会でのこと。これ自体がどんでん返しだった。さらに大どんでん返しがあって、同市は指定管理の選定結果はなかったことにしようという方針を示した。ここまで市長与党の最大会派に奉仕する役所とは何ものだ?
まさかの〝再選定方針〟
まず別掲した2つの文書を見ていただきたい。今年1月12日付で、新潟市のこども政策課が市議会の代表者らに配布したものだという。文字だけの文書には「ひまわりクラブ指定管理者の再選定方針について(案)」とある。
「ひまわりクラブ」とは新潟市の放課後児童クラブのこと。両親が共働きなどで昼間いない子どもたちを、放課後に迎え入れてくれる大変有難い施設だ。そのひまわりクラブについて、新潟市では直営ではなく指定管理者制度を導入している。この文書は、その事業者選定の方針を示したものだ。
現行の指定管理者は指定期間が令和2年4月1日から今年3月31日まで。そのため新潟市では昨年8月から新しい指定管理者を募集していた(指定期間は令和6年4月1日から同11年3月31日までの5年間)。
選定に当たっては評価会議を開催し、プレゼンテーションなどを実施した。昨年の11月には選定結果の通知を終え、その結果が12月の市議会定例会に指定議案として上程された。
市議会に上程された議案は常任委員会で審議される。選定過程に瑕疵のない指定議案は、常任委員会で可決され、本会議でも可決されて成立するはずだった。
ところが、詳細は後回しにするが、議案は委員会で否決された。その否決された議案は、本来なら「否決でいいか」と本会議で審議され、採決されるはずだった。ここからがどんでん返しで、何と中原八一市長はひまわりクラブの指定管理に関する一部議案(第148号)の「取り下げ」を提案。これが昨年12月定例会最終日の本会議で可決された。
指定議案の一部が取り下げられたのだから、ひまわりクラブの指定管理について、取り下げ分については「再選定」を行わなければならない。その「再選定」の方針を示したものが、「ひまわりクラブ指定管理者の再選定方針について(案)」なる文書だ。…続きは本誌で