県新発田地域振興局 官製談合の後遺症
2024年01月28日
昨年12月26日、県新発田地域振興局が発注した工事の入札に関する官製談合事件の初公判が開かれた。この日、起訴された県の元部長は情報漏洩が過去から行われていたことを示唆したという。県では既に調査を開始。花角英世知事は、入札制度の見直しにも言及している。
事件は終わらず
年が改まってからの話だ。下越地区の自治体関係者が以下の内容を知らせてくれた。
「阿賀北の建設業者の社長が亡くなったことをご存じですか?」
伝えられた業者名は承知していたが、社長が亡くなっていたことはまったく知らなかった。
「自殺だったようです。あの事件以降、悩んでいたらしかったですから」 (同)
「あの事件」とは、県の新発田地域振興局で昨年発覚した官製談合事件のことだ。昨年9月20日の午後、県警は「県新発田地域振興局の農村整備部長、新発田市に本社を置く建設会社の顧問ら2人の計3人を官製談合などの疑いで逮捕した」と発表した(役職は当時)。同振興局農村整備部が発注した農地の区画整理(ほ場整備)工事に関する入札で、逮捕された3人が共謀して建設会社に落札させたという。
その後、やはり新発田地域振興局の農村整備部が発注した取水工工事の入札に関連し、新たな逮捕者が出た。この事件では発注側の県職員(元部長、1月に懲戒免職)、業者側の3人が起訴され、昨年12月26日に初公判が行われた。
「事件になった入札に参加していた業者らは、これからは談合しないという誓約書を提出し、この件は終わったと思っていました」(県北の建設関連業者)
自殺したという阿賀北の建設業者は、事件になった入札に関与していたらしい。だが逮捕されたわけでもなかった。
「事件が発覚してから、次(の逮捕)はうちだ…と、ノイローゼ気味だったようです。今回の事件の被害者と言えるかもしれません」(同)
業者が誓約書を提出し、公判が開始され、事件は一定の決着を見たと思われていた。だが波紋は思わぬところにも広がっていて、事件は未だに終わっていないようだ。…続きは本誌で