『骨粗しょう症』
2023年12月27日
エールホームクリニック長岡
田村真麻 院長
■医師データ
田村真麻。横浜市立大学医学部卒。同大学院医学研究科博士課程修了。横浜南共済病院、横浜市立大学附属病院、長岡赤十字病院総合診療科・リウマチ科副部長を経て現職。医学博士。
介護や支援が必要となった原因の第4位は骨折・転倒で全体の約12・5%を占める(公益財団法人・生命保険文化センター調べ)。その骨折の最大のリスクは骨粗しょう症だ。そこで今回は骨粗しょう症について取り上げる。解説はエールホームクリニック長岡の田村真麻院長にお願いした。
「骨粗しょう症とは、骨が脆くなって骨折しやすい状態のことをいいます。骨というのは通常、破壊(吸収)と形成を繰り返しており、このバランスがいいと正常な骨密度を維持します。このバランスが崩れて破壊が優位になると骨密度が低くなり、骨粗しょう症を発症します。
骨粗しょう症の原因ですが、1番のリスクは加齢で、男女とも60歳代以降に増えていきます。とくに女性は注意が必要です。女性ホルモンの一種であるエストロゲンは骨の形成を促し吸収を抑える働きがありますが、閉経によってエストロゲンの分泌量が減ると、急激に骨密度は低下していきます。ほかにも関節リウマチや病気治療のためのステロイド薬の服用、内分泌ホルモンの異常など病気由来のリスク
もあります。また、喫煙や多量の飲酒、運動不足などの生活習慣も骨粗しょう症の一因になるといわれています。…続きは本誌で