対岸の火事ではない⁉ 正月気分を吹っ飛ばす「迫る台湾有事」
2023年12月27日
令和6年1月13日に台湾総統選挙が実施される。日本ではそれほど関心は高くないが、結果次第では戦争の危険性が高まるという指摘もある。
戦後、日本人は「憲法9条さえ守っていれば平和は維持できる」と教えられた。その前提で国の制度も整えた。よって、あらゆる分野で有事への備えが不十分だ。
世界のパワーバランスが大きく変化する中で、我が国の安全保障政策も見直しが迫られている。
中国と台湾、対立の歴史
中国国民党と中国共産党の対立の歴史は1920年代まで遡る。日中戦争が勃発すると一時的に協力関係を維持したが、戦争が終結すれば再び内戦状態に戻った。
国民党軍は日本軍との戦闘で戦力を消耗していたが、対して共産党軍は戦力を温存していた。武装解除した日本の兵器を奪ったのも共産党軍だった。ソビエトの援助も受けている。大衆への宣伝もうまかった。
やがて、共産党軍は国民党軍よりも軍事力で上回り、立場を逆転させていく。中国北方から南下した共産党軍は国民党軍を駆逐して、1949年10月1日に中華人民共和国を建国した。
アメリカの援助を受けた国民党軍は内戦の前半こそ優位だったが、前述の通り、日中戦争終結後の第二次国共内戦に敗れて台湾に逃れた。
大勢が決すると、アメリカの政策も徐々に変化した。1972年2月には、ニクソン大統領が訪中する。中華人民共和国の意向を受けて「一つの中国」の原則を承認する方向で動きはじめ、1978年12月に正式に受け入れた。
アメリカは台湾との「外交関係」を断絶し、軍隊の撤退と条約の廃棄を決めた。
日本は1972年9月に中国との国交を正常化し、台湾との国交を断絶した。以来、日本は台湾を独立国として認めていない。民間交流として関係を続けているにすぎないのである。…続きは本誌で