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2024年11月22日

珍事発生⁉ 新潟市議会「翔政会」が振るった“正義の蛮行”

2023年12月27日

新潟市議会で、いったん上程され、委員会での審議も終えた議案を市長が撤回するという、前代未聞の出来事が発生した。背景には市長与党の最大会派、翔政会の意向があるようだ。中小企業振興は正義だとしても、不正も瑕疵もなく終えた事業者の選定を覆すことは蛮勇が過ぎるのではないか?

 

まさかの〝リセット〟

 

新潟市議会12月定例会の最終日となったのは同月22日。当初の予定によれば、この日は午後1時30分から本会議が開催され、4日から始まった日程の間に審議された各種の議案を採決して閉会するはずだった。

 

議会最終日の本会議なのだが、開会予定の1時30分になってもいっこうに始まる気配がない。何かもめごとが発生しているらしい。結局、開会したのは1時間遅れの午後2時30分。この日、朝から市議会に関する怪情報が流れた。それが以下だ。

 

「執行部が一部の議案を取り下げることになりました」

 

まさかの話だ。これから本会議で採決を迎えようというその議案を、その日の朝になって撤回するというのか? 中原八一市長が提案した各議案は、それぞれの常任委員会で慎重審議され、本会議で採決されるのを待つばかりになっていたはず。

 

1時間遅れで始まった本会議で、皆川英二議長がこう告げた。「次に議案の撤回を議題とします。市長に議案撤回の理由の説明を求めます」。マジで議案が撤回されるのだという。では何の議案が撤回されるというのか? 中原市長が登壇し、こう述べた。

 

「令和5年12月4日に提案した議案第148号、濁川ひまわりクラブなど、19施設の指定管理者の指定につきましては、市民厚生常任委員会における候補者選定結果に対するご意見等を踏まえ、再度慎重に検討することとしたため、議案の撤回をお願いするものです」

 

12月定例会で注目されたのが、新潟市の放課後児童クラブ、「ひまわりクラブ」の指定管理に関する一件だった。ひまわりクラブの指定管理については今年度で5年間の契約期間が満了となるため、市では8月から指定管理者の公募を行い、「指定管理申請者評価会議」での選定を終えていた。

 

令和6年度から5年間の指定管理者については、「指定管理者候補者の選定結果」(別掲)にあるように、5つの議案となって議会側に提案された。

 

これらのうち「山の下ひまわりクラブ」(東区)など3施設については、これまで同様に非公募で地元のコミュニティ協議会が指定管理者の候補者となった。「地域で子育てを支援する環境を育むため」という理由から、「コミ協」が指定管理者となるクラブは非公募になっている。

 

中原市長が「議案の撤回をお願いするものです」とした議案第148号は、公募となった案件でも、「シダックス大新東ヒューマンサービス(東京都調布市、以下『シダックス』)を19クラブの指定管理者とする」という案件だった。

 

公募された案件すべてが取り下げにならず、「シダックス」の議案のみが取り下げを提案された。この事業者選定に際し、官製談合のような不正事件でもあったというのだろうか?…続きは本誌で

 

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