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2024年12月3日

粗利率8割超! 政治資金パーティーに見る県内政治家の集金力

2023年12月27日

「人と情報は金のあるところに集まる」という。支持者と資金がどれほど集まるかは、政治家の力量を推し量るバロメーターだ。政治資金パーティーでの集金力によっても、政治家の実力が示される。規模は自民党の派閥が開催するパーティーほどではないものの、県内の政治団体が開催した政治資金パーティーは平均の粗利率が8割超。中には収支トントン、逆ザヤの赤字開催という変わり種もある。

 

〝裏金疑惑〟の発端

 

ある県選出の国会議員秘書がこう語った。

「政治資金パーティーは決して悪ではありません。パーティーで得た収入を報告せず、裏金にしてしまうことが悪なのです」

 

11月後半、自民党の主要派閥による〝裏金疑惑〟が急浮上。今や政権を揺るがしかねない事態にまで発展している。裏金の原資となっていたのが政治資金パーティーで、お堅く言えば以下のようだ。

 

〈対価を徴収して行われる催物で、当該催物の対価に係る収入の金額から当該催物に要する経費の金額を差し引いた残額を当該催物を開催した者又はその者以外の者の政治活動に関し支出することとされているもの」(『政治資金規正法 第八条の二』より)

 

平たく言えば、宴会の収入と支出の差額を政治活動(選挙を含む)の資金にしようというイベントが政治資金パーティーだ。盛大にパーティー券を売りさばき、できる限り経費を抑えれば、それだけ獲得できる資金が増える。だが法律には〈対価を徴収して行われる催物〉とあるから、単なるパー券の購入は「寄附」とみなされることもあるらしい。

 

政治資金パーティーが開催できるのは、政党やその支部など政治団体に限定されている。政治団体は、例えば本県だけで活動する場合は県の選挙管理委員会に、複数の都道府県で活動する団体などは国(総務省)に届け出なければならない。年に1回提出される政治団体の収支報告書は、都道府県の選管や総務省で公開している。現在、公開の対象となっているのは令和4年以前の3年分だ。

 

年間5万円を超える額を政治団体に寄附(献金)した場合、収支報告書に寄附した人の名前などを記載しなければならない。だがパー券の場合、20万円以下であれば購入者を記載する必要がない。それゆえ「パー券購入は政治献金の隠れ蓑」などと言われたりもする。

 

今や政治資金パーティーが花盛りだ。国会議員はもちろん、知事や市長、県議や市議まで、資金稼ぎに余念がない。その収支は開催した政治団体の収支報告書に記載される。自民党の派閥も政治団体だから、その収支報告書は総務省のサイトで閲覧可能だ。

 

今回の〝裏金疑惑〟だが、「文春砲」がきっかけではなかったようだ。

『政治資金オンブズマン』の代表を務める神戸学院大学の上脇博之教授が東京地検に対して行った告発に端を発しているようです。上脇教授は派閥がパー券購入者として収支報告書に記載した政治団体の収支報告書を精査し、買った側にある金額が売った側に記載されていないこと、5つの主要派閥の収支報告書で収入の不記載があることを確かめて告発したのです。それを契機に派閥が所属議員に対して行ったパー券販売のキックバック(還流)で、収支報告書に記載されていない〝裏金〟があることなどが明らかになっていきました」 (メディア関係者)

 

国会が会期末を迎えた12月13 日以降、〝裏金疑惑〟に関する報道が連日続いている。

「多額のキックバックを受け、収支報告書に記載がないといった悪質なケースについて、東京地検の特捜部は人員を増やして対応しています。キックバックを不記載にしたのは一次的には事務所の秘書など政治団体の会計担当者の責任ですが、それを議員が指示したかどうか、その証拠を集めなければ、バッジ(政治家)の起訴まで持っていけません」(同)…続きは本誌で

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