来年4月改選の上越市議選に“不穏な動き”
2023年10月27日
バイデンかトランプか、来年11月に予定される米国大統領選ほどではないにしろ、市民注目の上越市議選が半年後に迫っている。日程は既に決定していて、告示が来春4月14日、投開票は同月21日だ。前回トップ当選の元市長、「上越のバイデン」とも呼ばれるアノ人も出るらしい。高田城址公園の観桜会が終わった頃、悲喜こもごもの選挙戦も終わりを迎える。
〝市議会劇場〟の役者たち
上越市議会(定数32)は来年4月28日に任期満了を迎える。10月4日、同市の選挙管理委員会は来春に予定される市議選の日程を決めた。立候補予定者に対する説明会は来年3月16日、市内の春日謙信交流館(春日地区公民館)で開催される。告示日(立候補届出の受付)は4月
14日。選挙期間は1週間で、投開票日は同月21日だ。
前回、2020(令和2)年の市議選で、話題は何といっても上越市の元市長、宮越馨氏の出馬だった。本を正せば旧大蔵省の官僚で、同省をやめた後、国政を目指していた。市長を務めたのは1993(平成5)年から2001(同13)年の2期8年。3選を目指した市長選で敗れた後、県議に当選したが1期目途中で知事選に出馬。それから市長にカムバックを狙ったり、参院選の比例候補になったりしたものの当選はかなわなかった。
その後、宮越氏は自身が「少子化対策の切り札」とする政策、「子供年金」を引っ提げ、村山秀幸前市長に挑もうとしたが果たせず。78歳だった3年前、今度は市議選に出馬。定数32に36 人が立候補した選挙でトップ当選し、世間をアッと驚かせた。
村山前市長が引退し、新人同士で争われた3年前の上越市長選で、宮越市議は元市議だった現在の中川幹太市長を支援。だが同市議と政策協定を結んだはずだった中川市長は、「子供年金」に冷淡だった。そのため中川、宮越の関係は決裂。以来、市議会で演じられる両者のバトルが名物になっている。
前回の市議選で話題となったのは、「宮越、トップ当選」だけではない。それ以上に注目だったのが「女子力」だ。定数32に対し立候補した
36人中で女性は7人。「七人の侍」ならぬ「7人の女性候補」は全員が当選を果たした。改選前、女性議員はゼロだったから、「女子力」のパワーは無限大だ。
上越市議会でずっと女性が不在だったわけではない。前々回、2016(平成28)年の選挙では、唯一の女性候補だった桜庭節子氏が5位で再選を果たした。その後、桜庭市議(当時)は2019(平成31)年の選挙で県議に鞍替え。上越市議会は女性不在となっていた。
現在、上越市議会の女性割合は約22 %で衆議院(10%)より高く、参議院(26%)よりも低い。県内の市議会で比較すると、長岡(11%)の2倍で、新潟(16%)よりも高い。だが14人中6人が女性という聖籠町議会(43%)には遠く及ばない。
上越市の女性市議だが、子どもが使った大量のプリントを野焼きして市から注意された人もいる。最近では「本会議中に、貸与されているタブレット端末で買い物サイトを閲覧していた」と、注意を受けた市議もいる。〝市議会劇場〟は話題を欠くことがないようだ。…続きは本誌で