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2024年11月21日

逮捕、起訴された業者側被告は県議の親族企業、2社の顧問

2023年10月27日

9月20日、県警は県新発田地域振興局の部長、そして新発田市に本社を置く建設会社、岩村組の顧問ら2人を官製談合などの疑いで逮捕した。同社は自民党県連の幹事長、岩村良一県議のファミリー企業だ。さらに10月11日、前出の2人が再逮捕され、胎内市にある建設会社3社の役員らが新たに逮捕された。逮捕、起訴された岩村組の顧問は、別の建設会社でも顧問を務めていた。その会社もまた自民党県議の親族企業だ。今回の事件が県内の官界、政界、そして業界に与えたインパクトは大きい。

 

今回の事件で逮捕、起訴された本田任つとむ被告だが、顧問を務めたのは新発田市の岩村組だけではない。阿賀野市にある帆苅組の顧問でもあった。前者はそれぞれ自民党に所属する岩村良一県議の、後者は帆苅謙治県議の親族企業だ。両県議は県議会で産業経済委員会に所属している。農地部を所管するのが同委員会で、事件の舞台となったのは同部関連の出先機関が発注する工事の入札だった。

 

9月20日、官製談合などの容疑で県新発田地域振興局の農村整備部長(鶴巻博文被告)、新発田市に本社を置く建設会社、岩村組の顧問(本田任被告)らが逮捕された。これまで県の工事に関する談合事件で県職員が逮捕されたことはなかったという。まして逮捕されたのは部長職の幹部職員だけに深刻な事態だ。

 

顧問が逮捕、起訴された岩村組は、自民党県連の現職幹事長、岩村良一県議(新発田・北蒲)の親族が代表を務める企業でもある。新発田振興局が今年6月に実施した指名競争入札で、同市内の松浦地区で行われる農地の区画整理工事を落札していたのが同社だ。この入札で、発注側の鶴巻被告が事前に予定価格などを業者側の本田被告に漏らし、その価格に基づいて、同被告らが1億200万円で同社に落札させて公正な入札を妨害したというもの。

 

逮捕、起訴された本田被告だが、顧問を務めていたのは岩村組だけではない。阿賀野市の建設会社、帆苅組の顧問でもあった。同社は同市選出の帆苅謙治県議(自民)の親族が代表を務める企業でもある。本田被告らが逮捕、起訴される原因になった新発田市松浦地区の工事に関する入札だが、同社も指名され参加していた。「本田さんは新発田の建設会社にいたのですが、仲たがいして辞め、最初に帆苅組の顧問になり、その後に岩村組の顧問にもなっていた」(阿賀北の建設業界関係者)

 

ともに親族企業の顧問が逮捕、起訴された岩村、帆苅の両県議だが、当選回数は自民党県連の幹事長である岩村県議が7回、帆苅県議が9回。どちらも議長経験のあるベテランで、帆苅県議も過去に同党県連で幹事長に就任している。もちろん両者とも親族企業の建設会社で役員を務めているわけではない

 

県内に12ある地域振興局には、新発田と同様に農地関連の工事や業務を発注している部署がある。こうした部署はかつて「農地事務所」と呼ばれ、県農地部の出先機関だった。現在、各振興局は独立した格好になっているが、農地関連の部署は県農地部が所管しているようだ。それゆえ今回の事件に関する知事のコメントには、農地部農地管理課の担当者名がある。

 

県議会の9月定例会は同月26日に始まり、10月17日に閉会した。県議会には常任委員会が4つある。これらのうち産業労働部や農林水産部などとともに、農地部を所管しているのが産業経済委員会だ。

 

今回の事件で逮捕、起訴された本田被告だが、…続きは本誌で

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