滝沢亮・三条市長にぶつけられた通知書が明かす公私混同
2023年09月27日
元横綱の日馬富士が故郷のモンゴルに設立した学校をサポートする団体が三条市にある。かつてこの団体の事務局長を務めたのが、市長に就任する前の滝沢亮弁護士だった。この団体が滝沢市長に対し、「これでは税務申告もできない」と通知書を送付した。その中身とは…?
初回当選は感動の大番狂わせ
前回の三条市長選は感動的だった。投開票日は3年前の11月8日。新人同士の一騎打ちを制したのは弁護士で当時34歳の滝沢亮氏。県内最年少の新市長が誕生した。
市長選は国定勇人前市長(現衆院議員)の辞職に伴うものだった。同前市長は4区(当時)の自民公認として次期衆院選に臨むべく、4期目の途中だっだ令和2年9月、議長に辞職届を提出。翌月15日付で辞職した。
3年前の市長選で滝沢市長と争ったのが名古屋豊氏だった。市議3期目の途中、国定市長(当時)と同じ日に市議を辞職して選挙に臨んだ。かねて「市長選に出馬する」と目されていた名古屋氏は、まさに選挙巧者で、市議選では3期連続のトップ当選。3期目の得票は4千2百票余。最下位当選の得票が約1千票に対し、2位が2千9百票ほどだったから、実力のほどが分かるというものだ。
国定前市長の在職時、名古屋前市議は、市議から県議に鞍替えした河原井拓也、杉井旬県議らとともに市議会内で「国定親衛隊」と呼ばれた。圧倒的な選挙巧者の名古屋氏が大きく先行したことから、3年前の市長選は一時無風かとも思われた。
初当選した滝沢市長は三条市でも旧南蒲原郡の下田村出身。地元の小中学校、三条高校を経て一橋大学を卒業。その後、司法試験に合格し、東京大学法科大学院を修了。東京都内にある法律事務所に勤務した後に Uターンし、平成30(2018)年、「ひめさゆり法律事務所」を同市内に設立した。
選挙戦は大きく先行する名古屋氏を滝沢サイドが追う展開だった。前者の側には県内各地の若手市議などが応援に駆け付けた。一方、後者の側では滝沢市長の同級生ら若手が前面に出た。滝沢市長を支持した政治の玄人筋は、黒子に徹したようだ。
結果は約2万6千票対約2万2千票で、滝沢市長が初当選した。「同級生ら素人集団の支援で、大逆転の大番狂わせ」と映ったが、当時、滝沢サイドにいた選挙関係者は「極めて順当な結果」と語っていた。…続きは本誌で