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2024年11月21日

十日町・松代で発覚した超古典的な談合疑惑

2023年08月27日

十日町市の松代地域は同市などで開催される「大地の芸術祭」の拠点の一つ。地域内にはメジャーな現代アートの作品が点在している。この頃ではドイツ人の建築家、カール・ベンクス氏による古民家再生でも知られる「ハイセンスでアートな山里」なのだが、未だ「古典的談合の里」でもあるようだ。

 

アートと古民家再生の里

 

十日町市でも松代地域(旧松代町)は上越市寄りの山あいに位置する。かつて東頸城郡に属した町村は、2005(平成17)年1月に安塚町、浦川原村、大島村、牧村が上越市に編入された。そして松代、松之山の2町が同年4月に十日町市などと合併した。

 

その松代地域だが、この頃は「アートな山里」として名高い。北越急行ほくほく線のまつだい駅に隣接してある「まつだい『農舞台』」の周辺には、世界的なアーティストの作品が点在している。水玉模様の巨大な花のオブジェ「花咲ける妻有」(原型作者 草間彌生)は、駅からも眺めることができる。

 

「アートな山里」の松代地域は、さらに「アートな古民家再生の里」としてもグッと人気が高まっている。まつだい駅から歩いて5分ほど、かつて宿場町として栄えた松代町商店街は「松代ほくほく通り」と命名され、再生された古民家に魅せられ訪ねる人も多い。

 

別掲した写真の一角だけを見れば、あたかもヨーロッパの古い街並みを思わせる風情がある。それもそのはずだ。写真手前は「松栄館」という歴史ある建物を、ドイツ人の建築家・カール・ベンクス氏が再生し、カフェとして営業しているもの。「松代ほくほく通り」には景観再生の取り組みで、同氏が外装をデザインした古民家が点在している。

 

このアートな通りがある松代地区が松代地域の中心エリアだ。認可地縁団体である松代区は500戸ほどで構成されているという。認可地縁団体とは、地方自治法等に定められた要件を満たし、一定の手続きを経て法人格を得た自治区、自治会といった地縁による団体のことだ。

 

松代区では今年5月20日に通常総会が開催された。そこで令和4年度の決算や今年度の予算、事業計画などが承認された。同区の収入合計(令和4年度)は約1千710万円。その主な内訳は、地域住民からの区費が1千220万円、十日町市の支出金が79万円だ。こうした収入の内訳から、認可地縁団体である松代区は地方自治体に準じるような団体であることが分かる。

 

とすれば松代区としての物品購入や工事の発注などについても、自治体と同様に公平、公正なものでなければならないはず。ただし地縁団体という性格から、特殊なケースで区外の業者に依頼せざるを得ないものを除き、区内からの調達が優先されるのは当然だろう。…続きは本誌で

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