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2024年11月24日

6千万円着服事件で透けて見えた第四北越銀行の阿諛追従体質

2023年07月27日

第四北越銀行の中条支店(胎内市)で6千万円の着服事件が発覚したのは5月26日のことだった。だが同行が事件を公表したのは、発覚から1カ月半近く経過した7月7日だった。詳細な調査のため、発表まで時間がかかったのかもしれない。だが関係者が語った話から浮上したのは、同行の阿諛追従体質だった。「行員が多く辞めている」という事情も、この体質に起因するのではあるまいか…。

 

県内トップ企業の不祥事

 

7月7日、第四北越銀行(殖栗道郎頭取)は「元行員による不祥事件の発生について」と題するプレスリリースを発表した。胎内市にある同行中条支店で、行員による現金着服事件が発生したという。事件の概要は以下のよう。

 

〈お客さまからお問い合わせを受け調査を行ったところ、中条支店に勤務していた当行元行員(20代男性)による現金着服が2023年5月26日に発覚いたしました。

 

その後の詳細な調査により、当該元行員が2023年3月から2023年5月までの間、お客さまから入金依頼のあった現金や定期預金解約金など、7先のお客さまから総額60,988,358円(実質被害額6先54,388,358円)を着服し、ギャンブルや自身の借入の返済等に充てていたことが判明いたしました〉(プレスリリースより)

 

「第四北越」と言えば名実とも県内のトップ企業だ。その行員が、「現金着服」という使い古された手口の犯罪に手を染めるとは…。しかもその理由がギャンブルなどだったとは一概に信じられない。

 

〈被害に遭われたお客さまには、個別に事実関係をご説明すると共に、深くお詫び申し上げました。また、お客さまの被害金については、当行が全額弁済いたしました。なお、その後当行は、当該元行員の家族から全額弁済を受けております〉(同)

 

事件を起こした元行員は懲戒解雇処分とされ、その他の関係者も行内規定に基づき処分するという。第四北越銀行では、元行員について〈警察にも相談し、刑事告訴を検討しております〉(同)とした。

 

7月7日、第四北越銀行、その親会社である第四北越フィナンシャルグループ(FG)の発表を受け、県内のメディアは一斉に同行で発生した現金着服事件を伝えた。同グループの関連でこうした報道があったのは、2年前に第四北越証券で発生した事件以来だろう。

 

第四北越証券の新発田支店で発生した職員による着服事件では、「被害に遭ったのは顧客1人、額は900万円」といった当時の発表だった。「証券」の事件に比較し、今回の一件は額も被害に遭った相手方の数も格段に大きい。…続きは本誌で

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