政務活動費を期限までに返金しなかった新潟市議は誰?
2023年06月27日
月額報酬や手当とは別に、新潟市議に交付される政務活動費は年間144万円。さすが政令市の議員は格が違う。1円も残さずに使う人もいれば、100万円以上残す人もいる。残額は返納しなければならないが、市議選も重なったためか、期限内に返さなかった掟破りが1人いる。
別格の政務活動費144万円
今春の統一地方選に関連したこぼれ話で、こんなのがあった。燕・西蒲選挙区の県議選は、自民党県連の現職幹事長が落選するという大波乱で終了した。選挙の告示日は、まさしく年度末の3月31日。前々日の同月29日のことだ。定数20の燕市議会で、その4分の3に相当する15人の市議が、同市から姿を消した。
決して神隠しにあったわけでも、県議選をボイコットするため、集団で逃亡したわけでもない。15人の市議らは2泊3日の予定で県外へ行政視察に出かけた。年度末は繁忙期だけに、この時期の視察は極力避けるのが一般的だという。それゆえ異例の行政視察だった。視察の中身や個々の市議の見解はともかく、3月29日から2泊3日の視察は、外野から「年度末の駆け込み行政視察」と皮肉られた。
燕市の場合、議員の月額報酬は35万8千200円。こうした視察の経費は、報酬とは別に支給される政務活動費でまかなうことができる。その額だが、同市の場合は「会派の所属議員1人につき月額2万円」で、年間24万円だ。
この政務活動費は「使わなかった分は翌年に持ち越せる」というものではない。「単年度主義」のお役所らしく、余った分は返還しなければならない。それゆえ前述のケースは、「余った政務活動費を使い切ろうという、年度末の駆け込み行政視察」と皮肉られたわけだ。
新潟市議会の場合、さすがは政令市で議員報酬も政務活動費も、その額は実にビッグだ。同市議会の議員報酬は燕市の2倍近い月額65万5千円。このほか113万9千700円の期末手当が年に2回支給される。なぜ議員にボーナスが支給されるのか疑問だが、とにかくそうなっている。
月額報酬や期末手当とは別に支給される政務活動費だが、新潟市の議員交付分は実に燕市の6倍で月額12万円、年間144万円なり。まさに桁違いで、新潟市議は県内の市町村議員では別格の存在で垂涎の的だ。破格の額を支給されるということは、よそに比べて新潟の市議は5倍も6倍も働くということだろう。…続きは本誌で