城内実衆議院議員インタビュー 「財政政策転換で日本は飛躍する」
2023年05月27日
今、政界で地殻変動が起きている。衆議院当選4回以下、参議院当選2回以下の自民党国会議員で構成される「責任ある積極財政を推進する議員連盟」の勢力が拡大しているのだ。その数101名。
「デフレ期には減税と積極財政が必要」と主張し、これまでの「増税と緊縮財政」路線を改めるよう政府に迫っている。立ち上げたリーダーは城内実衆議院議員。国民のために本気で戦う覚悟を持つ、国士とも言える稀有な人物だ。
永田町の衆議院会館を訪ねて、活動状況と理論の核心を訊いた。
日本経済の長期低迷
その真犯人は?
渡邉 取材を快諾頂きありがとうございます。以前から「責任ある積極財政を推進する議員連盟」の活動に期待しており、記事も何度か書いておりました。まずは、どのような理由で議員連盟を立ち上げたのか教えて下さい。
城内 これまでの財政政策を正すために議員連盟を立ち上げました。日本経済が長期にわたり停滞した最大の原因はデフレにあります。デフレとは一定の期間、物価が下落し続ける現象で、需要が供給を下回ることで発生します。
モノが売れないと企業は赤字になり、労働者の賃金も下がる。すると買い控えが発生して消費が減少し、企業は投資を控え、さらに需要が縮小していく。この負のスパイラルがデフレを長期化させたのです。
やるべき対策は極めてシンプルです。投資を抑制する民間に代わり、政府が財政出動して需要を喚起すればいいのです。また、消費意欲を刺激するために消費税は減税する。これがデフレ下における正しい政策です。
しかし、日本では真逆な政策が実行されました。デフレ下において緊縮財政と増税を繰り返したのです。これでは経済が停滞するのは当然です。
経済成長が止まった日本では所得も上がらず、若者が将来への希望が持てない状態にあります。少子化の最大の要因も若年層の所得低下にあると言われています。
この現状を打破するためには経済を成長させ、所得を上げて、社会を豊かにしなければなりません。
そのためには政策を「緊縮財政」から「積極財政」に、「増税」から「減税」に転換しなければならない。政策さえ転換できれば、困っている大勢の人を支援することができる。その信念から議員連盟を仲間と共に立ち上げました。渡邉 政治は数が勝負です。政府が行ってきた政策を転換させるためには、政策の正しさに加えて、国会議員の数も必要になりますね。
城内 そのとおりです。お陰様で、令和5年4月現在で参加者は101 名に増えました。まだまだ仲間は増えると思います。しがらみや先入観を捨てて考えれば、すぐにわかる政策理論ですから。
渡邉 とはいえ、これまでの政策を否定していますから財政当局をはじめ緊縮財政派は、かなりピリピリしているようですね。
積極財政に転換すれば国債発行が増えて国の借金が増大する、ハイパーインフレになる、国家財政が破綻するなどと批判しています。揚げ句に「積極財政」は無責任で大衆迎合的な政策だと言う人もいます。
城内 完全な誤解、曲解です。我々が目指す「積極財政」は、無制限・無責任に予算をばら撒くわけではありません。デフレ経済下という条件、インフレ率2%という目標、その他の経済指標を確認しつつ「積極財政」を目指すのです。
議員連盟の名前にも「責任ある積極財政」と明記したのも「無責任」ではないことを明確にするためです。
著名な講師も招いて勉強会を繰り返しており、アメリカの最新の経済学の動向も学習しています。安全に財政政策の転換を図れるように理論を学んでいるのです。
そもそも緊縮財政派の皆さんは、家計簿や企業会計と、国家財政を混同しているようです。主権国家には通貨発行権があります。対して、家計にも企業にも通貨発行権はないので決定的な違いがあるのです。それを同じ基準で論じること自体が間違いです。…続きは本誌で