大副業時代到来⁉ 第四北越銀行がセカンドワーク解禁
2023年05月27日
第四北越銀行は3月31日付で従業員の副業や兼業を認める「副業兼業制度」を導入した。旧北越銀行と合併する以前の旧第四銀行時代からお堅いイメージが付きまとっていた同行だけに、副業・兼業の解禁はなかなかのインパクト。これが呼び水となって県内企業が相次いで追随する可能性はあるのか?
地方銀行は62行中、過半数が副業を解禁
関係筋が話す。
「経営者は本来、従業員には全身全霊を傾けて会社の業務に専念してほしいと考えるものです。しかし時代は変わりました。働き場所が会社だけなどというのはとうの昔の話で、今や若い人たちにとって副業や兼業は当たり前です。
大企業にかぎっていえば、今どき副業や兼業を認めていない会社は時代遅れとみなされてしまいます。かつて完全週休2日制を導入していない会社が就活生に見向きもされなかったのと同じです」 (新潟市の会社経営者)
こうした時代の流れに県内企業の中でいち早く乗ったのが第四北越銀行だ。同行は今年3月31日、同日付で従業員の副業や兼業を認める「副業兼業制度」を導入したと発表した。
同日付の報道発表資料によると、同制度は①副業制度②社外兼業制度③セカンドキャリア企業支援制度の3本柱で構成されており、同行は「銀行外での他業務従事経験を通じた従業員の自己研鑽意欲の向上や自律的かつ複線的なキャリア形成を促すことにより、従業員のエンゲージメント(働きがい)の向上につなげるほか、従業員が自らの保有スキルや能力を活かして教育・文化活動や地域貢献活動、地域企業との兼業などを通じて、地域の持続的成長に貢献することを目的としている」と制度導入の狙いを説明している。
副業制度は入行1年未満の者・休職者・短時間勤務者を除く従業員が対象で、銀行の勤務時間外に他の業務に従事し報酬を得ることを認める。教育・文化、地域貢献、家業などの分野に該当する業務を想定しており、業務委託契約や雇用契約を結ぶこともできる。
社外兼業制度は入行3年未満の者・中途入行1年未満の者・休職者・休業者・短時間勤務者を除く行員・定年後に再雇用しているキャリア行員・嘱託者が対象で、地域企業などの兼業人材ニーズに応じて時間・期間限定の業務出向の形態となる。その際、銀行の勤務時間内に社外兼業として出向する形をとる。
またセカンドキャリア起業支援制度は定年を迎える行員および定年後に再雇用しているキャリア行員、キャリアスタッフで高いスキルや専門知識・資格を有する者が対象で、銀行を退職して個人事業主になった元行員と業務委託契約を結ぶことにより起業を支援する。
県内では同じ地方銀行の大光銀行、信用金庫・信用組合も含めて副業・兼業制度を導入している金融機関は第四北越銀のほかにない。しかし全国地方銀行協会が2022年11月に行った調査によると、全国の地銀62行中、32行が副業を、11行が兼業を認めており、実際に従事している人数は計594人(副業465人、兼業129人)だという。…続きは本誌で