噴出した自民党県連の深刻な選挙後遺症
2023年05月27日
先の県議選で自民党は改選前の27から32に議席を増やした。だが「より強力な勢力になった」という印象はない。選挙の後遺症だろうか、むしろ内部の争いごとが目立つようになってしまった。その延長か、県議選で国会議員が党の公認候補ではなく、別の候補の支援に回ったことについて、麻生太郎副総裁へ直訴しようとした一幕もあった。
自民党県連のお約束
自民党県連は5月20日に県連大会を開催し、新しい役員人事を正式に決定した。トップの県連会長は高鳥修一衆院議員が引き続き務める。県連の三役は一新され、幹事長には岩村良一県議(当選7回、新発田北蒲)、総務会長に皆川雄二県議(当選5回、魚沼市)、政調会長に高橋直揮県議(当選4回、新潟市西区)の就任が決まった。
この人事案は県連大会ではすんなり承認された。だが途中に紆余曲折があったことが、既に報道で伝えられている。県連大会の5日前、5月15日に自民党県連の役員選考委員会が開催された。この場で高鳥会長の続投や、県連大会で承認された三役の人事案が示された。例年なら「10分かそこらあれば終わる」(新潟市議)という会議のはずが、今回ばかりは紛糾したという。
知られているように、自民党県連にと言うべきか、議会で過半数を占める同党の県議団にと言うべきか、本県の自民党には長年にわたり、県議会議長、副議長の選出に関するルールがある。「議長、副議長の就任は当選回数順、当選回数が同じなら年齢順」というもの。
当選回数を重ねれば、年功序列で議長、副議長のポストが自動的に回ってくる。こうした手法について批判もあった。だが「これほど平等で分かりやすい選出方法があるか」と、一部の自民党県議が胸を張って答えたこともある。
議長、副議長は1年交代で、「当選回数順、当選回数が同じなら年齢順」で回ってくる。現在の議長は上越市選出の楡井辰雄県議(当選5回)だ。通常の場合は6月定例会で議長、副議長の改選が行われる。だが前議長が今年2月に辞任したため、イレギュラーで6月を待たず楡井県議が議長に就任。引き続き議長を務める。
副議長は当選回数、年齢からすると、本来は皆川雄二県議に回ってくるはずだった。自民党県連にはもう一つ慣例があって、議長、副議長に就任した場合、県連の役職を兼務しないとされているという。
前述のように、5月15日に開催された自民党県連の役員選考委員会では、総務会長に皆川県議を抜擢する人事案が示された。これまでこうした会合で人事案に異論が出ることはなかったのだが、今回は違った。…続きは本誌で