詳報 2023年大学入試 現役合格者数総覧
2023年04月27日
平均点が大幅にアップした今年の共通テスト。その影響からだろうか、今回の大学入試で本県の国公立大学合格者が昨年比約180人増と大幅に増えた(本誌調査の集計分)。全国的に見ると私立大学、それも女子大の一般選抜志願者減が顕著。国公立大学は、コロナ禍が一服したこともあってか首都圏回帰が進み、地方大学では志願者が減少した。さて今年度の大学入試、本県の結果はどうだったか。今号ではまず合格者数を詳報する。
最難関国立大・私立大は現役合格者増も医学部医学科は減!
現役合格者数
東大10人 新潟8人、長岡・高田各1人
京大12人 新潟8人、新津・新発田・長岡・高田各1人
医学部医学科は72人!
最難関大学は合格者増
本誌は例年、県内60校近い高校・中等教育学校に対し、大学合格者数と進学者数の調査を依頼している。各校の合格者数を見ていく前に、本誌の調査・集計結果の大まかな傾向を見ていく。
図1のグラフをご覧いただきたい。東京大、京都大、北海道大、東北大の現役合格者数の推移である。この4大学は国立最難関大学群である「旧7帝大」の中でも、本県からの合格者数が比較的多い大学である。
一見して東北大合格者数が昨年比で大幅に増えていることがお分かりいただけるだろう。タイトルにある「最難関国立大現役合格者増」を牽引した要因である。北大は微減だったものの、東大・京大も合格者数は増えた。
図2のグラフは私立大学群の現役合格者数の推移である。「早慶上理」(早稲田大、慶応義塾大、上智大、東京理科大)は私大最難関、「GMARCH」(学習院大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)は早慶上理に次ぐ私大準難関、「日東駒専」(日本大、東洋大、駒沢大、専修大)はGMARCHに次ぐ中堅私大、「大東亜帝国」(大東文化大、東海大、亜細亜大、帝京大、国士舘大)は日東駒専に次ぐ準中堅私大とそれぞれ位置付けられ、カテゴライズされている。本県からも毎年多くの高校生が受験する大学群だ。
こちらは全ての大学群で昨年に比べて合格者数が増えた。しかも2年連続増。中でも最難関の早慶上理は昨年から約50人増え、その増加率は21%を記録した(増加数の最も多い大東亜帝国は91人増、増加率9%)。
国立、私立ともに最難関クラスの大学合格者数が増えたことが、今回の結果の最大の特徴と言えよう。
集計対象である2023年3月卒業生は、前年よりも大きく減る見込みである(国や県による公式発表は夏頃)。それでもなお、本誌集計による四年制大学進学者数は7771人で昨年比5人減とほとんど変わっていない。短大進学者数は昨年比約70人減。卒業生数はこれ以上の減少数が見込まれるため、短大の減少分を差し引いても、いわゆる大学進学率は前年の過去最高値(51・9%)を上回りそうである。
そろそろ本題に入ろう。本誌は今年も今号で合格者数を、次号以降で進学者数、併願調査、各種データ、各校のコメント(“誌上進路講演会”)などをリポートしていく。
今回は、県内の全日制高校・中等教育学校のうち57校に調査用紙を郵送し、「諸事情により」と回答を見送った小出高校を除く56校から回答を得た。本稿を進める前に誌面を借りて御礼を述べたい。
年度替わりの多忙を極めている中、ご協力いただいた学校ならびに関係各位に、心より感謝申し上げます。…続きは本誌で