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2024年11月22日

内紛、漁夫の利不発で散々だった「胎内市県議選」

2023年04月27日

胎内市の県議選は自民の現職、冨樫一成の後援会で役員を務めた同市の市議、森田幸衛が出馬し当選を果たした。保守分裂に勝機を見出したのか、黒岩宇洋元衆院議員の支援を受けた佐藤陽志が前回に続き市議を辞め、遅れて参戦。だが「漁夫の利」を目論んだかのような出馬は不発に終わった(敬称略)。

 

〝最後の文書〟

 

県議選の告示日は3月31日、4月9日が投開票日だった。告示日を直前に控えた時期、別掲の文書が県内の自民党関係者に届いたという。5月20日に開催される同党県連大会に関連するものだ。文書の日付は告示日のちょうど1週間前、3月24日になっている。

 

「文書が届いた時は何とも思いませんでした。県連大会は毎年恒例のことでもありますし」(自民党関係者)

 

この文書は自民党の各支部長にあてられたものだが、文書右上の差出人を見ていただきたい。県連の桜井甚一幹事長、そして冨樫一成組織委員長の両名によるものだ。

 

「この2人が発信元になるような文書は、これが最後でしょうね」 (同)

 

4月9日に投開票が行われた県議選で、燕市西蒲原郡の桜井、胎内市の冨樫はいずれも落選してしまった。そして2人の「次期県議選不出馬」、即ち政界引退が伝えられている。

 

「桜井、冨樫の落選には共通項があるようです。当選5回の桜井さんの場合、選挙区の定数は2人で、過去に選挙を経験したのは1度だけ。初当選も無投票でした。燕西蒲では桜井さんと、非自民で後に国民民主に所属した高倉栄さんとが議席を分け合い、3回連続で無投票当選が続きました。

 

当選4回の冨樫さんの場合、桜井さんほどではないですが、初当選と4年前の前回以外は無投票当選でした」 (同)

 

桜井、冨樫の敗因について尋ねると、あるベテラン県議は一言こう語った。

「選挙というものは、後援会がしっかりしていれば落選することなんかないんだ」

 

桜井の場合、無投票のペアだった高倉が一昨年の衆院選に出馬。昨年5月に知事選と抱き合わせで行われた県議補選で、市議から鞍替えした堀川勝重が当選した。堀川は燕市に合併した自治体の自民党支部から推薦を得ていた。

 

今回は桜井、堀川、そして連合新潟から推薦を得た元市議の女性候補と三つ巴で2議席を争う選挙戦となり、桜井が落選した。

 

「1人区の胎内市と2人区の燕西蒲とでは条件が異なるかもしれませんが、冨樫さんの場合、自身の後援会の地区代表で、議長経験もある森田幸衛市議が議員を辞職して県議選に出ることになったと聞いています。いわば身内が造反し、保守系の市議もこぞって反旗を翻した格好だったのだとか」(同)

 

桜井にしろ冨樫にしろ、「ベテラン県議が語った「後援会がしっかりしていれば…」という言葉が痛いほど身に染みる結果となった。…続きは本誌で

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