塚田一郎、菊田真紀子両代議士 本誌の指摘で訂正した政治団体収支報告書
2023年02月27日
政党や後援会など、政治団体の収支報告書は政治家の懐具合の一端を示している。内容は公開されていて、ネットで誰でも簡単に閲覧可能だ。その収支報告書だが、時として政治家と金をめぐる深い闇を映す鏡のような存在でもある(文中敬称略)。
政治家の懐具合を映す鏡
昨年のことだ。地元後援会の収支報告書に亡くなった人が会計責任者として記載されていたとして、当時の寺田総務大臣が国会で追及の矢面に立たされた。結局、こうした事態が引き金となり、同総務大臣は辞任せざるを得なくなった。政党や後援会の収支報告書は、しばしば政治家の進退問題に発展するネタの供給源となっている。
本県の場合でも同様の事例はある。ごく近いところで、2月16日に書類送検が明らかになった自民党の小島隆県議の場合がそうだ。現職の県会議長が辞任せざるを得なくなったこの一件は、新潟市民オンブズマンの告発に端を発したものだった。告発の内容には政治団体の収支報告書に関する内容も含まれていた。政治資金規正法が定める個人による寄附の上限である150万円を超えて、同県議が自身の秘書だった男性に自身の後援会へ寄附をさせていたというもの。
告発は詐欺事件で受理され、前述の政治資金規正法違反での告発は取り下げられた。本誌の別掲記事にあるように、収支報告書では寄附したことになっている当の元秘書が、「私は寄附などした覚えはない」と断言するという奇妙な内容だった。
こうした政治団体の収支報告書だが、報告書そのものをインターネット上で公開している都道府県も多い。総務省でも同省管轄の政治団体や、政党交付金の使途等報告書は、やはり報告書そのものがネット上で閲覧可能となっている。
本県の場合、政治団体の収支報告書を閲覧するには、残念ながら県の選挙管理委員会に直接出向いて申請しなければならない。むしろ少数派になりつつある公開の手法だが、それでも毎年「県報」に掲載される収支報告書の要旨はネット上で確認することが可能だ。
この要旨だけでも十分に興味深い。例えば政治団体でも政党の支部は、個人の寄附(献金)のほか、企業や団体からの寄附を受け付けることができる。
自民党や立憲民主党には衆議院の小選挙区ごとに支部がある。衆院1区なら、自民党の場合は新潟県衆議院第一選挙区支部、立憲民主党の場合、新潟県第1区総支部で、ほかの選挙区でもそれぞれ現職の衆院議員、あるいは公認候補が各支部の代表に就任している。
主に自民党の場合、こうした支部の収支報告書には、寄附した企業の名とその額がズラッと並ぶ。ネット上で見ることができる収支報告書の要旨でもそうした企業名や寄附金の額は確認できる。
こうした政党支部に集まった寄附金などの額から、政治家の〝集金力〟を推し量ることも可能だ。以下で紹介するのは、そうした〝集金力〟ではない。政党支部の収支報告書を見比べた際の、ささいな疑問についてだ。…続きは本誌で