県内上場企業37社 社員年収・役員報酬ランキング!
2023年01月27日
新型コロナウイルスと付き合い始めて3年。人々の生活を脅かしただけでなく、一部企業の経営まで蝕んだ。さらにインフレ、円安などがボディブローのように企業の体力を奪っていった。もちろん、これら逆境を追い風にした企業もあっただろう。本県上場企業の業績は、コロナ禍にあってどうだったか。各社の有価証券報告書から業績などを調べ、さらにランキング化してみた。
東証が市場区分を再編
昨年11月、三菱総研は「ウィズコロナ下での世界・日本経済の展望」と題するレポートを発表した。
昨夏は新型ウイルスの感染が拡大していた。そんな中でも個人消費は回復していたという。「政府による厳格な経済活動制限が課されず、消費を抑制する動きが従来に比べ限定的であった」ことが要因らしい。
旅行料金が最大で40%オフとなる政府の旅行支援策なども後押しした。「感染症による消費自粛傾向は緩和していた」ようだ。
一方で、物価の上昇により家計の購買力が鈍っていることも指摘。高所得層(年収1千万円以上)が消費を積極化してはいたものの、低所得層(年収300万円以下)と中間所得層(年収300万~1千万円)が抑制していたと指摘。「過半数の世帯が低価格商品へのシフトや購入量の削減により消費額を抑制している」とした(以上の鍵カッコ内は同レポートより)。
コロナ、円安、ロシア・ウクライナ戦争など、物価高の要因は様々だ。「価格に転嫁しないと経営できない」(新潟市内の中小企業社長)という事情で物価が上昇している。家庭も企業も大変だ。だが、庶民はこう思うのである。「企業は値上げをすればしのげるだろうが、庶民は給料が増えないと赤字になるのだよ」と。
特に本県は賃金上昇率が低い。いや、前年同月比で言えば下降している(毎月勤労統計調査・新潟県)。支出は増えているのに実入りが減るというダブルパンチを食らっている。
給料が増えるかどうかは企業の業績と経営者の決断次第。ユニクロを展開するファーストリテイリングは、社員の給料を最大で4割アップさせると発表し、国民の度肝を抜いたが、「我が社も頼むよ」と心の中で祈ったサラリーマンは少なくあるまい。
本県の企業はコロナ禍、円安、インフレなどを克服してきたのか。役員報酬や社員年収はどう変化したのか。本稿で見ていく。
その前に、東京証券取引所(東証)が昨年4月、市場区分を変更したことについて簡単に触れる。
これまでの「一部(主に大企業)、二部(主に中堅企業)、マザーズ(主に新興・成長企業)、JASDAQ(主に中小の新興・成長企業)」の4区分を、「プライム、スタンダード、グロース」の3区分に再編、簡素化した。東証によれば、これまでの市場区分には次の2つの課題があったという。
1 各市場区分のコンセプトが曖昧であり、多くの投資者にとっての利便性が低い。具体的には、市場第二部、マザーズ、JASDAQの位置づけが重複しているほか、市場第一部についてもそのコンセプトが不明確。
2 上場会社の持続的な企業価値向上の動機付けが十分にできていない。たとえば、新規上場基準よりも上場廃止基準が大幅に低いことから、上場後も新規上場時の水準を維持する動機付けにならない。また、市場第一部に他の市場区分から移る際の基準が、市場第一部への新規上場基準よりも緩和されているため、上場後に積極的な企業価値向上を促す仕組みとなっていない。
これら課題を解決させるのが新しい3区分なのだという。それぞれのコンセプトは次のようになる。…続きは本誌で