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2024年11月23日

物価“爆騰”も給料上がらぬ新潟県の経済実態

2022年12月27日

物価高が続いているという。家内が「ガス代が高くなった」「植物油が高くなった」と言っては財布の紐を緩められないと嘆く。この1年、本県でも物価高のニュースが相次いだ。その一方で給料は上がらない。コロナ禍、そしてこの1年、新潟県の経済はどう推移したのか。

 

30年ぶりの物価上昇率

 

「セールだと198円で買えた植物油は200円台後半だし、マーガリンも50円は値上がりした感じ。というか、食べ物・飲み物で値上がりしていないものはないんじゃないですか? ガス代も高くなったので、冬でもお風呂以外は設定温度を低くしています」

 

そう嘆くのは新潟市在住の主婦。単価10円程度の値上げなら我慢もできるが、50円、100円だと悲鳴しか出ないという。

 

NHKや朝日新聞など主なメディアは、「物価高」「物価高騰」のニュースを自社のサイトでまとめてさえいる。それだけこの1年、物価高の影響が大きかったということだ。

 

物価高は2022年の年明け早々から始まっていた。1月22日の読売新聞朝刊に「国内物価 上昇じわり」の記事がある。2021年12月の消費者物価指数の数値を掲載し、いずれも前年同月比で玉ねぎが60%増、じゃがいもが27%増、植物油が23%増などの表を掲載した。

 

その後も物価高のニュースは相次いだ。同じく読売新聞の同年9月21日朝刊には、「物価31年ぶり上昇率」の見出しが。8月の消費者物価指数の数値を紹介し、生鮮食品を除いた物価の上昇率が前年同月比で2・8%だとした上で、1991年以来の上昇率だとした。

 

たかだか3%にも見える。だが、上がったモノもあれば下がったモノもあるし、上昇率が乏しいモノもある。数字上は3%程度の伸びだが、毎日必要な飲食に関わるモノの伸びが大きいと、日常生活での負担感は増す。

 

「この日の新聞を見ると、植物油が39%、都市ガス代が26%、電気代が22%上昇などとあります。この指数を分かりやすく言うと、たとえば前年同時期にいずれも100円だったとして、植物油が139円に、都市ガス代が126円に、電気代が122円になったことを意味します。消費税が10%ですから、それと比較しても、すごい値上がったなという印象を持つはずです。ほぼ毎日買うようなモノの値上がり幅が大きいため、負担感はかなりのものだと思います。

 

一方で、携帯電話の通信費や病院などでの診療費が値下がり、出費の大きな自動車関連費の価格変動が小さいなど、全てのモノの物価上昇率をならすと3%程度に抑えられている印象になります。それでも約30年ぶりの上昇率なわけですから、これまでいかに日本の物価が上がっていなかったか、あるいは下がっていたのかが分かると思います」(統計に詳しい行政関係者)

 

物価高に比例して給料も上がればいいが、残念ながらそうはなっていない。厚生労働省が毎月公表している「毎月勤労統計調査」によると、2022年10 月まで、実質賃金が前年同月比で7ヵ月連続マイナスになった。物価の上昇に賃金の伸びが追い付いていない状態が春から続いている。

 

賃金には、名目賃金と実質賃金とがある。名目賃金は、まさに賃金の額面のこと。月給30万円が33万円になったら10%アップ。これに対し実質賃金は、名目賃金の上昇率から物価の上昇率を差し引いて計算する。名目賃金が10%アップ、物価が20%アップなら、実質賃金は10%ダウンとなる。これでは暮らし向きは良くならない。

 

こういう状況が半年以上も続いているのが日本だという。では、本県はどうか。…続きは本誌で

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