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2024年11月23日

南魚沼市の観光協会で発生した使い込みの奇態な部分

2022年12月27日

11月初旬から「横領が発覚した」と噂された上越国際観光協会。果たして新聞報道で「私的流用」が伝えられた。市が実施しているコロナ関連のプレミアム旅行券事業、「雪恋」に関連して発生した事件だが、「私的流用された」という約1千900万円は返還され、これにて一件落着。誰もお咎めなしということらしい。

 

「私はここにいます。会長交代は任期だから」

 

11月30日のことだ。地元紙が南魚沼市にある上越国際観光協会で発生した「約1千900万円の私的流用」を伝えた。その張本人は、何とトップの協会長(発覚後に現在の協会長に交代)で、流用したとされる金は、同市が国の交付金を利用して実施しているプレミアム旅行券事業(『雪恋』)の代金だったという。

 

南魚沼市内には石打丸山や舞子スノーリゾートなど、メジャーなスキー場が多い。「雪恋」は同市観光協会が実施主体で、旅行券の代金に関し、市内に5つある観光協会が収納事務を担当した。その一つが、上越国際スキー場があるエリアの管轄協会、上越国際観光協会だった。

 

新聞報道があったおよそ1カ月前、11月初旬から地元では既に噂になっていた。新しい協会長名で配布された上越国際観光協会の「臨時総会のご案内」は、文書の日付が11月9日になっている。ちょうどこの頃、南魚沼市内では、一部に「上越国際観光協会で横領が発覚したようだ」という話が伝えられていた。

 

その噂を裏付けるように、「臨時総会のご案内」には〈協会役員につきまして急遽交代しなければならない事態となり…〉とあった。上越国際観光協会の臨時総会が開催されたのは11月15日のこと。議題は〈1、観光協会の近況について、2、今冬の冬の協会の体制について、3、協会費の徴収について、4、その他〉。議題に「私的流用」や「使い込み」、「横領」といった文言はなかった。

 

臨時総会があった頃、南魚沼市内の一部に伝えられていたのは以下のような内容だった(その後に判明するのだが、内容は正確ではない)。

 

「横領したのは前協会長の女性で、この人物は市内の様々な団体で役員を務めるなど著名人でもある。着服したのは市がコロナ禍での観光対策、経済対策として実施しているプレミアム旅行券の代金で、その額は3千万円。本人は、名前も知らない詐欺師に騙されたと言っているらしいが、本当かどうかは不明。本人の行方は分からず、五泉市にいるとか、新潟市北区にいるといった話もある」

 

「百聞は一見にしかず」という。本誌ではダメ元で直接この前協会長宅に行ってみることにした。新聞報道があった4日前、11月26日のことだ。前協会長は不在だが、「30分ほどで帰る」という。「本人は雲隠れで行方不明」といった噂はガセで、噂は当たっていることもあれば、まったく違っていることも少なくない。

 

それはともかく、帰宅した前協会長本人に前述の噂を伝え、その内容の真偽を尋ねると以下のようだった。

 

「(3千万円の使い込みは)ないです、ないです。(本人は行方不明と言われているが)私はここ(自宅)にいます。(会長を辞めたのは私的流用が発覚したため?)任期だったので。それがたまたま(臨時総会と)重なって。(本人は五泉市や新潟市北区に行って、今はいないと聞いたが)どっから五泉とか北区とかが出るんでしょう。ご苦労様です」

 

前協会長はこうも言っていた。「やはり女性だから出る杭は打たれるということでしょうか」

 

だがこれから数日後に、「約1千900万円の私的流用」が報じられ、この件は市議会でも取り上げられることになった。…続きは本誌で

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