動物病院長が投稿者を提訴 Googleマップ名誉棄損訴訟
2022年12月27日
インターネット上の口コミによって社会的評価を低下させられたとして、動物病院の院長が投稿者に対して投稿の削除と損害賠償を求める訴訟が目下、新潟地裁で係争中だ。批判的な投稿をされたり、低評価を下された当事者にとって深刻な問題であるのと当時に、誰もが匿名で口コミを投稿できるネット社会の危うさが浮かび上がる。
警察署や交番、果ては本誌までもが口コミの対象に
読者の皆さんはGoogle マップをご存じだろうか? Googleマップは検索エンジン「Google」を運営する米国グーグル社が提供する地図情報サービスで、平面図・航空写真・地形図のほか、街中を歩いているかのような疑似体験ができるストリートビュー機能も備えている。
また住所や施設名からの検索も可能で、地図上の施設については第三者が口コミを投稿することもできる。口コミの対象となっている施設の代表格が飲食店で、口コミは誰でも閲覧できることから、その内容の良し悪しや5段階による点数評価が客入りに大きく影響するといわれている。
たとえば県内で広く知られている人気ラーメン店の口コミ(Google マップでは「クチコミ」と表記)は計298件に上り、そのうちの約半数が5点満点中、5点、4点の高評価をしている。投稿には〈美味しい〉〈食べやすい〉などと記されていることから、グルメ好きにとっても便利なツールといえるだろう。
もっともGoogleマップで口コミの対象となっている施設は飲食店にかぎらず、スーパー、美容院、映画館、パチンコ店などあらゆる業種におよんでおり、果ては人の命を預かる医療機関に対する口コミも多数投稿されている。
たとえば県内のある公立総合病院に対しては、〈担当医、看護師さん共に素晴らしかったです〉と感謝の気持ちを表す投稿がある一方、〈最低です〉などといった批判的な投稿もある。
この公立病院に対しては計56件の口コミがあり、評価の高い5点、4点を付けている投稿者がいる一方で、最低の1点を付けている投稿者も少なくない。
こんなふうに他人事のように記すと、「オタクの会社はどうなのか?」と言われそうなので、Google マップで試しに弊社「財界にいがた」を検索すると、2件の口コミを確認することができた。
いずれも文字の投稿はないが、1人が5点、もう1人が4点と意外にも高評価をしている。感想についてはあえて記さないが、いずれにしても弊社「財界にいがた」が点数評価の対象となっていることからも察しがつくように、Google マップ上の施設は自ら望もうが望むまいが否応なしに口コミや点数評価の対象とされている。
なにせGoogle マップには警察署や交番の口コミまで投稿されているくらいだ。…続きは本誌で