異例の「糾弾決議」可決! キセル疑惑で辞職した加茂市議
2022年10月27日
加茂市議会で異例の「糾弾決議」が可決された。何を糾弾したものかと思えば、議員のキセル乗車だという。150円の入場券でJR長岡駅から電車に乗り、そこから590円かかる加茂駅まで行き、清算せずに出たところを捕捉されたという。2年以上前の話なのだが、糾弾決議は可決。当の議員は辞職した。
異例の糾弾決議
9月27日、加茂市議会の9月定例会は最終日を迎えた。この日、注目されたのが議員定数を改正するために提出された二つの議員発案だった。もちろん定数を増やすのではなく減らすためのもの。加茂市の人口は約2万5千人で、市議会の定数は18。同市議会は来年4月に任期満了を迎える。
まず登場したのが定数を4減して14とする改正案だった。提出者は大橋一久市議で、そのほか2人の市議が賛同者に名を連ねた。次いで登場が3減で定数15とする改正案。山田義栄市議が提出者となり、5人の市議が賛同者に名を連ねた。
ご多聞に漏れず、加茂市でも人口減が加速している。2015年は約2万7千人で、現在が約2万5千人。2030年の推計は2万2千人だという。急激な人口減に対応すべく、同市議会でも定数減の合意はできていたという。だが削減数について検討を進めたものの結論が出ず。結局、4減と3減で決着をつけることになった。
既に知られているとおり、結果は3減案が賛成多数で可決され、4減案は退けられた。来年の加茂市議選は定数15で争われることになる。同市に隣接する田上町は人口が約1万1千人で同市の半分以下。それでも議会の定数は14だ。「越後の小京都」と呼ばれる加茂には「小議会」がふさわしいのかもしれない。
定数削減の決着がつき、9月定例会もお開きかと思ったら、さにあらず。その後の日程がまだあった。それが議員に対する「糾弾決議」だった。議員の不祥事などでしばしば登場する「議員辞職勧告決議」ならともかく、「糾弾決議」は耳慣れない言葉だ。
新潟県・市の議会会議録を検索してもヒットしない。国会では3年前、「北方領土を戦争で奪還する趣旨の発言をした」とされる当時の丸山穂高衆院議員に対し、全会一致で糾弾決議が採択されたことがある。糾弾決議は事実上の辞職勧告だ。丸山議員に対する糾弾決議だが〈ここに丸山君を糾弾し、ただちに、自ら進退について判断するよう促すものである〉と結ばれていた。
国会並みの糾弾決議なる議員発案が提出されるとは、加茂市議会でいったい何があったのか?…続きは本誌で