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2024年11月21日

被害者が告白した 佐藤耕一・新潟市議 ストーカー事件の全貌

2022年10月27日

9月5日、新潟市の佐藤耕一市議がストーカー容疑で逮捕された。その後、同市議は略式起訴され、罰金30万円を支払って事件は終了した。起訴事実は事件全体のほんの一部でしかない。およそ2年間も続いたストーカー行為の中身を被害者の女性が語った。その内容は想像を絶するもので、それでも議員を続けると同市議は公言した。

 

市議、ストーカー容疑で逮捕

 

10月7日、新潟市議会の古泉幸一議長から各市議あてに連絡が入った。同月12日午後1時から全員協議会室で議員協議会を開催するという。議題は「佐藤耕一議員からの説明について」だった。

 

中央区選出の佐藤市議は現在3期目。過去3回の選挙はいずれも自民公認で当選している。前々回の市議選で同市議は約3千300票を獲得し、7位での当選だった(定数11)。3年前の前回は約4千900票で堂々の3位当選だ。

 

前回の市議選で第2位が高橋聡子市議。西村智奈美衆院議員の全面的な支援を受けて初当選した。得票は約5千100票。トップは吉田六左エ門元衆院議員の娘婿で、過去2回、新潟市長選に出馬した吉田孝志市議で、約1万票。得票や順位、当選回数からしても、佐藤市議は「働き盛りで活躍が期待される存在だった」と言える。

 

「佐藤市議、逮捕」の一報が伝えられたのは9月5日。新潟市議会の9月定例会が始まる前日のことだった。それだけでも驚きだったが、「ストーカー行為」という逮捕容疑がまさしく前代未聞。警察発表を受けた各種報道によれば、事件の概要は以下のよう。

 

佐藤市議は40代の女性に対し、昨年2月から5月まで、3回にわたり新潟市内において、第三者に依頼して女性の容姿を撮影させてつきまとった。今年8月には、4回にわたり女性の住居付近をうろついたという。さらに一昨年から今年6月頃にかけて、女性の友人である男性に8回にわたりその男性の行動を監視していると思わせる内容の封書やはがきを郵送したとされる。

 

9月22日、佐藤市議は略式起訴となり、新潟簡易裁判所は罰金30万円の略式命令を出した。同市議逮捕の翌日から始まった新潟市議会の9月定例会は同月28 日に終了。「佐藤耕一議員からの説明」を議題とする議員協議会が予定された10月12日は午前中に決算特別委員会の日程が入っていた。

 

議員辞職せず

 

10月12日の議員協議会は非公開だった。複数の市議によれば、「佐藤耕一市議が事件について説明し、所属している会派は退会、委員長などの役職は辞任するものの、辞職せずに議員活動は続けると述べた」という「5、6分の説明で、特に質疑応答はなかった」(ある新潟市議)

 

4年前のこと、過去に交際していた女性の車にGPS(位置情報を知らせる全地球測位システム)付きの携帯電話を取り付け、位置情報を探ったとし、県内の地方議員が略式起訴され、その後に辞職したことがあった。ストーカー規制法違反で罰金は50万円だった。一方、同様の罪で罰金30万円の略式命令を受けた新潟市の佐藤市議は辞職しないという。

 

「やはりケジメとして議員辞職勧告を決議することになると思う」 (同)

 

ただし「議員辞職勧告決議」はあくまで「勧告」で、本人の自発的な辞職を促すもの。法的な拘束力はない。佐藤市議は「準公式的な場」とも言える議員協議会で「議員活動を続ける」とした。その発言はそれなりに重みがある。

 

逮捕直後の報道などによれば、佐藤市議はストーカー被害にあった女性の自宅周辺をうろつくなどしたことは認めたものの、「ストーカーだと思っていない」と、容疑を否認したと伝えられている。同市議は非公開の議員協議会で事件について説明したという。その中身はどのようなものだったのか?

 

「逮捕容疑は今年8月に被害者の自宅周辺を4回車でうろついたことだと本人は言っていました。4回とも買い物のために車で通行したとのことでしたが、法改正もあって運用が厳しくなり、車で通ることもうろつきとなるとされ(ストーカー行為を)認めたという説明でした」 (同)

 

素朴な疑問がわく。佐藤市議が4回被害者の自宅周辺を車で走行したということは、どのように裏付けられたのか。被害者の女性が確認したのか、それとも防犯カメラなどに同市議の車が映っていたのだろうか。「買い物のため」という説明だが、どうしても被害者の自宅周辺を通らなければ買い物はできなかったのだろうか…?…続きは本誌で

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