新潟の夢・未来を語ろう!
2022年07月27日
観光、移住促進
「資源を磨き、見せ方を工夫する」
前回の最後に、出来上がった「新幹線」をどう「使い倒すか?」について、観光や移住促進などのテーマを絡めてお話ししたいと思います、と記述しました。新潟に「立ち寄る理由」がなければ、誰もが空港から東京、その他各地に移動してしまいます。旅の行き、あるいは帰りに新潟に立ち寄って、たっぷりと過ごしてもらわなければなりません。それは十分に可能だと思います。考え方を変えれば…。
私は新潟市に移住する前、東京都に住んでいました。いよいよ引っ越し、ということで不動産屋さんにアパートの解約手続きに行ったのですが、言われたのが「新潟! 良いですねえ…美味しいものがいっぱいですし、温泉もあるし」。
そう、県外の方は新潟を羨望の的として見ているのです。ところが来てみると、新潟市民は「市内には見るもの何もないですよ」と口々に言うのです。この“分裂”はどこから来るのでしょうか?
令和3年(2021年)3月、新潟県は令和7年(2025年)までの4か年計画「新潟県観光立県推進行動計画」を策定しました。柱に据えているのは次の6つです。
1.「ガストロノミー」「スノーリゾート新潟」の発信強化
2.本県の産業・文化を生かした観光の推進
3.「新潟観光デジタルプロジェクト」の推進
4.「稼ぐ観光」の仕組みづくり
5.新潟らしさを生かした教育旅行・MICE誘致の強化(MICE…会議・研修・国際会議・展示会やイベントといったビジネストラベルの総称)
6.将来を見据えたインバウンド誘致
う~ん、ぼやっとした印象を受けてしまうのは私だけでしょうか?
ガストロノミーという言葉は単なる「グルメ」ではなく「食」を育んだ地域の歴史・文化・暮らし・自然も含めて楽しむものです。
確かに魚沼産コシヒカリは圧倒的なブランド力を持ち、昨年5~6月の「goo ランキング」でも魚沼産コシヒカリは人気ラ
ンキング1位(新之助は10位)でした。しかし、全国で毎年のようにブランド米が誕生していて、今後も絶対王者であり続けられるかは不透明です。
その他の食材のブランド化では隣県に後れを取っています。寒ブリは富山県の氷見産がブランド化していますし、ノドグ
ロも水揚げ量では山口県が圧倒的で、長崎県、島根県がブランド化しています。
カニも石川県が「加能ガニ」、福井県は「越前ガニ」、鳥取県は「松葉カニ」でブランド化していますし、石川県は令和3年(2021年)に最高級ブランド「輝(かがやき)」を誕生させています。
富山県は独自のブランド「白エビ」、「ホタルイカ」がありますが、新潟「だけ」のブランドはありません。
「スノーリゾート」と言いますが、資料を読むと「スキー、スノーボードに加えて、雪国の食や暮らし、知恵など『雪』
が生み出す上質な新潟の魅力をアピール。国際競争力のあるスノーリゾートづくりを推進」…抽象的でよく分かりません。
海、山、グルメ、歴史、雪…新潟には何でもあります。しかし、これっといった「オンリーワン」がないような気がします。もっと具体的で掘り下げた計画が必要ではないでしょうか? 課題と解決策を探っていきます。…続きは本誌で