知事選で花角再選を支持する連合の”なぜ”
2022年04月27日
4年前は野党勢力とともに花角英世知事の対立候補を推薦した連合だが、今回の知事選は同知事を支援するという。その2年前、森民夫長岡市長と今は衆院議員となった米山隆一氏で争われた知事選で、連合は森前市長を支援した。分かりにくい連合の動向だが、意外とシンプルな一面もあるようだ。
今回の知事選は何やら分かりにいくい。自公が推す花角英世知事の支援に、連合や、連合の支持を得ている国民民主が乗るのだという。4年前の知事選は分かりやすかった。自公が花角知事を支援し、立憲民主も国民民主も、社民に共産、小沢一郎の自由党、そして連合も池田千賀子候補の推薦に回った。
4年前の知事選はまさに「与党vs野党連合」の戦いで、野党の党首らがずらっと並んで池田支持を訴えた。与党側は「国政の対立を地方に持ち込むな」と野党を批判。野党側は「花角では国の言いなりだ」と、「新潟のことは新潟で決める」などと主張した。激戦の結果、自公の花角知事が初当選したわけだが、野党連合の池田候補との差は、支持率でいえば僅か3%ほどでしかなかった。
その2年前、16 年の知事選は森民夫前長岡市長と、今は衆院議員になった米山隆一氏で争われた。野党系は米山支持だったが、連合は森前市長の支援に回った。その際の理由は何だったのか? 当時、森前市長の選挙に関係した人物はこう言う。
「直接的には森さんが連合の幹部がいるところで自身の政策などについて意見陳述をして、その上で連合は森さんを支持することを決めたのです。知事選があったのは10月で、8月までは当時の泉田裕彦知事が4選を目指して出馬するはずでした。
ところが8月30日、泉田さんは突如として知事選から撤退すると表明しました。当初、森さんも敵は泉田だとしていたし、連合も泉田さんが出馬することを前提に、泉田さんがダメだから森さんの支持に向かったわけです」
「人となりと政策を見て、連合は森支持を決めた」という。今回も人物と政策で連合は花角支援を決めたのかもしれない。別の指摘もある。
「3月のことですが、自民党の麻生太郎副総裁が連合の芳野友子会長と会食したことが伝えられました。麻生さんは〝賃上げなど、連合の話を一番聞いているのは自民党だ〟と言っているとか。実際のところ、麻生さんのおっしゃるとおりではないかと思います。県も同じことで、花角知事が連合、というか働く者の側の声を聞いているということから、連合は花角支援なのではないでしょうか」 (在京の国会議員秘書)
古参の立憲民主党関係者は、自身が所属している政党に手厳しい。
「国政のことはよく分かりませんが、県政について立憲民主に頼ってもどうにもならないことを、連合だって肌身に感じているのではないですか。立憲民主や国民民主に頼んでもどうしようもないわけだ。花角さんなら聞いてくれるし、やってもくれるから支援するのでしょう。単純な話ですよ」
国政以上に、県政は野党の存在感がないらしい。