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2024年11月25日

“プリンス田辺”当選の五泉市長選で自民党が手を組んだ先

2022年02月28日

4年前は実質無風。今回は風雲急を告げ、乱立気味の4候補によって争われた五泉市長選。初当選を果たしたのは、政治に関してまったくの素人、新人の田辺正幸氏だった。現職は4選を目指したものの果たせなかった。その結果だが、偶然だったのか、それとも必然だったのか…?

 

ガラパゴスに〝プリンス〟誕生

 

失礼ながら、五泉市の政界は「ガラパゴス化しているのではないか…」と思われていた。「周囲と隔絶し、独自の進化を遂げた」というのが「ガラパゴス化」の意味するところ。要するに、ほかとは相当違っているということだ。

 

例えば市議会。五泉の市議会はユニークで、立憲民主に所属する議員が自民の議員と同じ会派だったりする。政党政治とは違う地方議員(立憲民
主では〝自治体議員〟と呼ぶらしい)では、「まあ、それもありか」とは思うが、少なくとも県内では類例を知らない。

 

数年前までの話だが、五泉市議会は定刻になってもなかなか始まらなかった。これが〝名物〟でもあったが、悪しき慣習でもあった。本会議の開会時刻は9時30分。もめごとがあると、この時刻には始まらない。本会議の前に議会運営委員会やら何やらが開催される。

 

しばしばあるこうした事態を想定し、議会事務局も手慣れたもの。以下の文面の張り紙が用意され、本会議場の傍聴席入り口に設置された。

 

大迷惑なのが市長や副市長、そのほか課長などの幹部職員たち。本会議場のひな壇に並んだまま、議会が始まるまで手持ち無沙汰で待っていたものだ。傍聴の市民らも同様で、本会議がいつ始まるのかも知らされず。始まっても、またもめて「休憩」に入ることもしばしばだった。

 

だがこれは「今は昔の物語」になったようだ。令和2(2020)年6月の市議会定例会でのこと。本会議の開議時刻を午前9時30分から午前10時に変更することが決まった。以後の定例会では、3分ほどの遅れはあっても、ほとんど
10時きっかりに本会議が始まっている。

 

五泉市議会もついに変わったのだ。さしもの「ガラパゴス市議会」にも変化の兆しが見え始めた。そして迎えたのが1月23日投開票の五泉市長選だった。立候補したのは4人。現職で4選を目指した伊藤勝美氏、共に前市議の松川徹也氏と安中聡氏。さらにプリンスホテルで本部営業部長やプリンスホテルUSAの代表などを務めた田辺正幸氏。

 

今さらお伝えするまでもなく、当選したのは田辺氏だった。「候補者乱立で、現職有利」という一般的な観測を覆し、ガラパゴスな五泉の政界とは無縁だった〝プリンス〟が誕生した。…続きは本誌

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