協力金バブルに沸く小規模店と瀕死の大手チェーン その明暗
2022年02月28日
当初、1月21日~2月13日とされていた時短要請期間は、新規感染者数の高止まりを理由に3月6日まで延長。これにより時短要請の総日数は過去最長となった。果たして期限の3月6日に予定どおり適用が解除されるかどうかも分からないまま、飲食店関係者は暗中模索の日々を送っている。
非認証店に対しては事実上の“休業勧告”
古町界隈の関係筋が話す。「飲食店経営者はもはや時短要請に慣れっ子になっていますね。なにせ新潟市では昨年4月末から5月初旬にかけて時短要請がなされたのに続き、8月10日から9月16日まで38日間も時短要請が続きましたからね。今回再び営業時間短縮を要請されて“またか…”といった感じですよ」(古町界隈の居酒屋店主)
飲食店関係者の間にシラケムードが漂うといったところだろうか。
この関係筋が続ける。
「時短要請の内容は回を重ねるごとに厳しくなっていて、昨春は営業時間を午後9時までとしていたのに、8月からの時短要請では営業時間を午後8時までと1時間短縮。さらに今回は『認証店』以外の店に対して時間帯を問わず酒類の提供を禁止としました。これにより小規模店の多くの経営者が“店を開けても意味がない”といって、やる気を失ったわけですよ」 (同)
新潟市内の繁華街を歩いてみると一目瞭然だが、今回の時短要請下では古町界隈で約7割の飲食店が休業、JR新潟駅前にいたっては8割以上の飲食店が休業を選択した。
新潟市における昨年の2度にわたる時短要請下では休業する店舗のほうが圧倒的に少なかったことを踏まえると、今回の“休業ラッシュ”はまさしく異常事態。こうした状況は新潟市内にかぎったことではなく、県内全域に広がっている。
ではなぜ今回、これほどまでに休業を選択する店が相次いだのか? こうした状況が生まれた要因として挙げられるのが、飲食店に対する営業時間短縮や酒類提供禁止の要請と、それに応じることによって支払われる協力金の額との関係だ。
前出の関係筋の話にもあるように、今回の要請では十分な感染防止対策が取られている「認証店」に対して午後8時までの酒類提供と同9時までの営業を認める一方、非認証店に対しては時間帯を問わず酒類提供を禁止するとともに営業時間を午後8時までとした。
なお認証店が非認証店と同様に酒類を提供せずに営業時間を午後8時までとする場合には、協力金が上乗せされる措置を講じてもいる。
具体的には、たとえば前年度か前々年度の売上高が1日当たり7万5000円以下の認証店が酒類を提供して午後9時まで営業すると1日当たり2万5000円の協力金が支給されるのに対し、酒類を提供せずに営業時間を午後8時までとする場合には1日当たり5000円上乗せして3万円の協力金が支給される。
これに対して1日当たりの売り上げが7万5000円以下の非認証店には時間帯を問わず酒類提供を認めず営業時間を午後8時までとし、1日当たり3万円の協力金を支給する。…続きは本誌