コロナ感染急拡大で方針転換を迫られた「県民割」
2022年01月27日
新型コロナウイルス感染拡大を受けて1月21日、本県に「まん延防止等重点措置」が初めて適用された。これに伴い飲食店などに対して再び営業時間短縮や酒類の提供禁止を要請。また県内に宿泊する際に1人1泊当たり最大5000円の割引が受けられる県民割キャンペーンの新規予約についても当面の間、停止することになった。県民割キャンペーンは観光支援の起爆剤となっている一方で、「感染防止策に逆行する政策」との批判的な声も上がっている。
飲食店に再び時短要請、県民割も新規受付を停止
新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着きを取り戻し、昨年末から明るさが見え始めていた県内に、またしても頭の痛いニュースが飛び込んできた。
県が1月18日、新型コロナウイルス感染拡大を背景に、改正特別措置法に基づ
く「まん延防止等重点措置」の全県への適用を政府に申請。これを受けて政府は同日、本県を含む13都県に対して重点措置を追加適用することを決めた。期間は1月21日~2月13日だ。
これを受けて、県は飲食店などに対して午後8時までの営業時間短縮や酒類の提供禁止を要請する方針を決定。
具体的には、十分な感染防止対策が講じられた「認証店」には酒類提供を認めるとともに、午後9時までの営業を選択できる。
その一方、非認証店の営業時間は午後5 時~ 午後8 時とし、酒類の販売や持
ち込みを認めない。
これらの要請に従った飲食店には売り上げ規模や営業時間に応じて協力金が支払われる。
関係筋が話す。
「過去の時短要請のときもそうでしたが、個人経営の小規模店だと協力金をも
らうことによって通常営業しているよりもよほど儲かるのです。これに対してチェーン展開しているような大規模店だと上限20万円の協力金をもらっても普段の売り上げに満たない。文字どおり飲食店街は悲喜こもごもです」(JR新潟駅前の飲食店経営者)
政府は過去に発出した緊急事態宣言下での飲食店に対する時短要請や酒類の提
供禁止、イベント開催自粛などにより経済が停滞した反省を踏まえて、行動制限
緩和の切り札として「ワクチン・検査パッケージ」の運用開始を打ち出した。
同パッケージは緊急事態宣言や重点措置のもとでも経済活動を維持するために
2021年10月に導入。ワクチン接種証明書や陰性証明書を提示することにより、飲食店やイベントでの人数制限をなくすことが目的だったが、ここへ来ての感染拡大があまりにも急なことから、運用を原則停止した。
一方、県の観光支援策「使つ かっ得と く! にいがた県民割キャンペーン」の新規予約についても感染急拡大を理由に1月19日午後8時から当面の間、停止することを決定。ただし新規予約を停止した同日同時までに予約した宿泊は引き続き割引が適用され、地域クーポン券も付与される。…続きは本誌