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2024年11月22日

県内上場企業 役員報酬・社員年収ランキング

2022年01月27日

2年前の1月15日、国内で初めて新型コロナウイルス感染者が出た。いまなお
ウイルス禍は終息を見せない。猛威を振るうウイルス禍が、政治・経済、そして私たちの生活に様々な影響を及ぼしている。県内企業の業績も悲喜こもごものようだ。直近の有価証券報告書(以下、報告書)から、県内上場企業各社の業績などをランキング化し、影響を探ってみた。

 

ウイルス禍で明暗の企業業績

 

新型ウイルスの感染拡大と収束の繰り返しに、人々と経済は翻弄されている。

 

総務省の「令和3年版情報通信白書」によれば、新型ウイルス発生直後の2020年第2四半期に、国内の企業活動はガクンと落ち込んだ(図1)。その後は順調に回復。2021年第1四半期には、ウイルス禍前の2019年水準にまでほぼ回復していったという。

 

同白書はさらに、製造業と非製造業で、回復具合が異なることを示している(図2)。製造業は、

〈緊急事態宣言当初は、移動の制限や企業活動の制約等に伴い、自動車の需要が大きく落ち込んだが、その後、緊急事態宣言の解除や、米国や中国への輸出が回復したことにより、いずれの業種も回復基調にある。(中略)コロナ危機前(2019年10~12月期)の水準の約9割まで回復している。〉

 

という。一方で、非製造業は二極化が進んでいる。

〈感染症対策として外出行動の抑制等が行われ、消費者行動がコロナ以前に比べて大きく変化したことが、経済動向の変化を通じて、企業の業績にも大きな影響を及ぼしている。(中略)非接触・非対面を原則とする「新しい生活様式」の定着が進み、オンラインサービスの利用が進んだことや、コロナ禍から回復した海外への輸出増などの追い風を受けた業種と、緊急事態宣言の再発令などにより、移動の制限や時短営業などの影響により低迷する業種への二極化が進む状況となっている。〉

 

中小企業はいまだ苦しんでいるようだ。東京商工リサーチによると、2021年3月期決算で前年を上回る売上高を達成したのは農・林・漁・鉱業と金融・保険業だけ。主要5産業とされる建設業、製造業、卸売業、小売業、サービス業他では2020年3月期を上回れなかったという。

 

昨年9月に緊急事態宣言が解除され、人の動きも活発化し始めたことで、消費が拡大する動きが見られた。年が明けてからオミクロン株が猛威を振るい始め、再び人の流れや消費活動が滞り始めている。これらの影響は、まもなく数値に表れてくる。

 

県内企業の業績などは後ほど見ていくとして、その結果として反映される人々の給料などに変化はあったのだろうか。いずれも新潟市で聞いた話になるが、

「業績はやや落ち込んだものの、年収は変わっていない」(物販レンタル業社員)

 

「2020年はボーナスが減ったことで年収減。2021年は業績が回復したということで、(2020年に)減った分をつけて支給してもらった」(生活関連業社員)

 

「客足が減ったためパートの終業時間を短くした。パートは全体的に減収させてしまった」(青果店経営)

 

「アルバイトの常用をやめ、混み始めたら嫁か妹に手伝いをお願いすることにした。客がいないのに人件費は払えないし、それだけ売り上げは厳しくなった」 (飲食店経営)

 

「お陰様で我が社は巣ごもり特需で業績アップ。社員にも十分に還元し、福祉や教育団体などへの寄付額も増やした」(製造業社長)

 

と様々。経営者も社員も悲喜こもごもといったところか。

 

本誌はこのたび、県内上場企業38社の業績などを、各社の直近の報告書から分析し、別表のようにランキング化した。売上高、売上高伸び率、時価総額、役員報酬、社員年収、役員報酬と社員年収の差、役員の金融資産(除役員報酬)の7項目だ。…続きは本誌

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