2区 共産党・平あや子のFacebookに自民党の”お友達”が続々
2021年10月27日
県内6選挙区で、維新の会を除く野党共闘が成立しなかったのは2区だけだった。共産党が独自候補を擁立したのも同区だけ。同党の候補は平あや子前新潟市議。現職時代、同市議会の保守系市議に「隠れあや子ファン多数」と言われた。確かに同前市議のFacebook には自民党に所属する市議が「友だち」になっている。「仲良きことは美しきかな」なのだが、市議会が緊張感を欠いていることの表れとも思いたくなる。
鷲尾英一郎(自民)の比例転出で、2区は細田健一(自民)が一強となってしまった。それゆえ選挙区での勝敗は公示前に大勢は決し、2区での話題は細田以外の候補者がどれだけ票を獲得できるかに移った。
県内6選挙区で野党共闘が実現しなかったのは2区のみ。同区には共産党の平あや子(前新潟市議)、国民民主党の高倉栄(前県議)が立候補した。
このうち共産党の平あや子だが、現職の市議時代からちょっと特異な存在だった。
平前市議は北海道出身で新潟大学卒。医療系の団体職員を経て、6年前の市議選に西区から出馬しトップ当選した。再選を果たした2年前の選挙では順位こそ3位に甘んじたが、得票を微増させている。
新潟市の共産党市議団は、従来の同党とはちょっと違ったイメージもある。例えば同党の倉茂政樹市議(秋葉区)など、「国民には一切アベノミクスは来ていないんです。アベノマスクは来ました」とか、保守系の議員にもウケる質問で知られている。
現職だった平前市議に対しても、保守系の新潟市議は親近感を持っていたようだ。即ち自民党系の新潟市議でも、いわば根強い「隠れあや子ファン」が少なからずいたとか。ある保守系の市議は、かつてこう言っていた。
「平さんは原発事故の避難者について質問した際に泣いてしまったり、時には〝これって、死ねっていうことですよね〟と発言したり。1期目の時に、〝タバコを吸う人を見ると反吐が出ます〟と言ったもんだから、同じ共産党の古参で重鎮の市議がタバコを辞めちゃったんですよ。
彼女は両親とも共産党の家庭に育って、いわば天然共産党みたいな雰囲気があるんですが、彼女にとって我々保守系の言動が新鮮で面白いらしいんです。それで、思わず〝こっち(保守系会派)に来るか〟と言いたくなってしまいました」
自民党の支部長を務める新潟市議が、市議を辞め衆院選に臨むことになった平前市議のFacebook に「いいね」して話題になったこともあるらしい。
そこでもう一度、平前市議のFacebook をチェックすると、友だちは1千余人いる。「すべての友だち」を見てみると、自民党の支部長に就任している新潟市議、同党の公認で当選した新潟市議など数人の名前が登場してくる。
共産党と自民党であっても、「仲良きことは美しきかな」ということらしい。だが違った見方もできる。新潟市議会は市長与党の保守系大会派、「翔政会」が過半数を占めている。そのためか、外野から見ていると同市議会は緊張感を欠いているようにも映る。
それゆえ本来は水と油のはずの共産党と自民党の議員が妙に仲良しというのは、健全な状態とは言えないのかもしれない。