訪問薬剤師の仕事
2021年10月27日
共栄堂薬局 とやの店
薬局長 本間 正洋氏
超高齢社会を迎えた現在、在宅医療が徐々に増えている。そんな中、訪問診療や訪問看護、訪問介護など、地域の高齢者は地域で診るという地域包括ケアが広がりつつある。そこで今回は、そんな地域包括ケアの一翼を担う、訪問薬剤師の仕事を取り上げる。解説は共栄堂薬局とやの店の本間正洋薬局長にお願いした。
「在宅医療を受けている方は自宅で医師の診察を受け、薬の処方せんをもらいます。その処方せんをもとに薬を患者さんのご自宅までお届けするのが訪問薬剤師です。
訪問薬剤師は処方せんに基づいた薬を間違いなく患者さんに届けるのが第一ですが、それ以外にも大事な仕事がいくつかあります。
1つ目は薬の説明です。患者さんにこれはどういう薬なのか、作用や副作用、飲み合わせなどを詳しく説明し、患者さんが不安の無いように服薬していただくことです。
2つ目は服薬指導です。どの薬を、いつ、どれくらい、どのように飲むなどの服薬指導は、患者さんに薬を正しく服用していただくためにとても大切です。
3つ目は残薬の管理です。認知症の患者さんに多いのですが、訪問すると薬が不自然に減っている、逆に大量に残っていることがあります。その際は、患者さんが正しく服薬していないことを疑います。ご本人やご家族からの聞き取りなども行い、患者さんがなぜ正しく服薬できないのか理由を考え、正しく服薬できる方法を模索し、アドバイスするのも訪問薬剤師の仕事です。服薬カレンダーなどの活用やご家族、ヘルパーさんの協力が得られるかなども考慮し、最善策を考え、アドバイスします。…続きは本誌