泉田裕彦事務所 女性事務員懲戒解雇”事件”の深淵
2021年08月27日
泉田裕彦衆院議員が自身の事務所に勤める女性事務員を「懲戒解雇」とした。〈多額の資金が使途不明で、費消・もしくは横領〉との理由からだが、「この女性事務員しか金銭の出納を担当していないから」というのが根拠となっている。そこに飛躍はないのだろうか。女性事務員は全面的に否定し、法的な対抗措置を準備しているという。
「解雇通知書」、流れる
8月22日、注目の横浜市長選は立憲民主が推薦した元横浜市立大教授の山中竹春氏の圧勝で終わった(得票は約50万6千票)。いわゆる「ゼロ打ち」で、午後8時に投票が終わると同時、開票作業が始まる前にNHKが「山中当確」を伝えた。菅義偉首相が全面支援した小此木八郎元国家公安委員長(約32万5千票)や、現職で4選を目指した林文子氏(約19万6千票)などは、まさに惨敗だった。
自民党に所属する衆院5区の地方議員は、開票速報と同時に流れた横浜市での内閣支持率を見て愕然としたという。不支持が何と64%、支持が24%。横浜は菅首相のおひざ元だったはず。
「中選挙区時代、旧3区のある自治体で、田中(角栄)先生の得票率が60数%だったと聞いたことがあります。中選挙区でそれだけの得票率ですから、圧倒的だったわけです。それと真逆に、おひざ元の横浜市で菅首相の不支持率が64%というのを見て、これはもうダメだと思いました」(自民党に所属する衆院5区の地方議員)
政局は一気に流動化しかねない情勢だ。この結果に、衆院選を間近に控えた県内の自民党関係者も緊迫の度を深めたに違いない。
横浜市長選の3日前、8月19日のこと。衆院5区の自民党関係者のもとに1通の文書がFAXで届いた。
「最初、まったく何の文書か意味が不明でした。記録ではFAXを受信したのが8月19日の午前10時29分となっています。送り状もなしの1枚だけです。送信元が表示されていないので、どこから送られてきたのかは不明です。
文書をよく見ると第5選挙区支部の泉田裕彦支部長による『解雇通知書』となっていて、日付は今年6月25日、文書のあて先は女性の名前になっています。なぜ私のところに、いったいどこからこんな文書が送られてきたのかは、まったくもって分かりません」(衆院5区の自民党関係者)
この自民党関係者は、同党に所属している知人に同様の文書が来ていないか尋ねたという。だが「こっちにも届いている」と回答した者はいなかった。…続きは本誌