期待される新潟のワクチン接種で失地回復
2021年06月26日
ワクチン接種の進捗具合で地域ごとに明暗が分かれている。「接種は気合だ!」と、打ち手を叱咤激励しても始まらない。まずは創意工夫。全国各地から「〇〇モデル」、「××方式」といった言葉が聞こえてくる。そして先立つものは何と言っても金。「相馬モデル」として知られるお隣、福島県の相馬市はこれで成功したらしい。
県内でも接種率に地域間格差
6月は地方議会の花盛り。どこでも年4回開催される定例会の時期だ。議員の質問項目は世間一般の関心事を反映する。いずこの議会でも新型コロナウイルスのワクチン接種に関する質問が目白押しだ。24人が一般質問を行った新潟市議会でも、11人がワクチン接種に関する項目を事前に通告していた。
ワクチンの接種率について、県内でも地域間の格差が伝えられている。地元紙の報道によれば、6月初旬の段階で、65歳以上の接種を希望する人への第1回目接種率は上越市で9割超だったが、新潟市や長岡市では2割台にとどまっているという。新潟市議会でワクチン接種に関する質問が増えたのは、こうした事情を反映したものだろう。
ワクチン接種が一定の割合を超えると、「集団免疫」が獲得され、感染者の数がグンと減るという。未だ幹線国道には「県境を跨いでの移動の自粛」を訴える表示が継続中だ。県境を跨ぐことを自粛しても、県内の自治体を越えた移動を自粛している人はあるまい。自治体間で接種率の開きが大きくなれば、「集団免疫」も何もあったものではない。
新型コロナウイルス感染症に対する治療薬でもあればいいが、それは当面望めない。
「未だに新型コロナウイルスの治療薬として開発された薬は一つもありません。今のところは既存の薬を転用したり併用したりすることで、重症化した患者さんが回復する可能性があるということで、残念ながらそれが今の状況です」(新潟薬科大学、若林広行教授)
新型コロナウイルスの治療薬が製品化されるのは当分先のことらしい。だったらなおさらワクチン接種が急がれる。…続きは本誌