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2024年11月21日

コロナ禍で家賃を払えない若者が急増中

2021年04月27日

コロナ禍は若者たちから住む家さえ奪おうというのか―。感染拡大の影響により飲食業界などが大打撃を受けていることから、従業員の収入は激減。これに伴い家賃を払えなくなっている若者が急増しているという。現実に新潟地裁では、20代や30代の若者が貸主から建物明け渡しを求められて提訴されるケースが相次いでいる。

 

特定の不動産業者が新潟地裁で提訴を連発

 

新潟地裁では今年3月、特定の不動産業者が賃借人に対して建物明け渡しを求める民事裁判が少なくとも計5件確認されている。この種の裁判のことを建物明渡請求事件と呼ぶが、被告はいずれも20~30代の若者たちだ。

 

関係筋が話す。

「建物明渡請求事件は通常、アパートや賃貸マンションの大家が家賃を滞納している賃借人に対して起こす裁判です。それにしても特定の不動産業者が原告となった裁判が1カ月間に5件も行われるなんて前代未聞です。

 

この不動産業者は新潟市に本社を置いていますが、昨年4月に東京から拠点を新潟に移してきたことから、われわれ同業者もまったく馴染みがありません。だから当初は、悪徳業者が不当な方法で賃借人を追い出しにかかっているのではないかと疑ったほどですよ」(新潟市の不動産業者)

 

この関係筋はこう語るが、本誌記者が取材した結果、訴訟を起こしている業者にはまったく悪意がなく、賃借人が単に家賃を滞納していることから、やむなく提訴に踏み切ったことが分かった。

 

たとえば男性M氏は福岡県古賀市に賃貸マンションを借りていたが、月額7万7500円の家賃を4カ月分、約31万円を滞納したことから、建物明け渡しを求められて提訴された。

 

M氏はこの不動産業者と昨年4月に建物賃貸借契約を締結。4月分から6月分は契約どおり家賃を支払ったが、7月分から支払いが滞って現在に至るという。

 

前出の関係筋が話す。

「その後、新潟地裁で立て続けに賃借人を提訴している不動産業者の情報が少なからず入ってきましたが、この業者は入居時に初期費用がゼロであることをウリにしているのです。つまり敷金・礼金ゼロ、仲介手数料もゼロといった具合。

 

なぜ敷金・礼金や仲介手数料がゼロなのかというと、業者がこれらの費用を大家に対して肩代わりするのですが、その分を毎月の家賃に上乗せしているからなのです」 (同)

 

賃借人は入居時に敷金・礼金込みの30万円や40万円といったまとまったお金を払わなくていい代わりに、毎月の家賃にそれら費用を上乗せして2年ないし4年の契約期間に延べ払いするという寸法だ。

 

この関係筋がいう。

「当たり前の話ですが、敷金・礼金ゼロの物件を借りる人たちの多くはもともと経済力が乏しいわけです。そこへもってきてコロナ禍で収入が減れば、家賃を払えなくなるのは当たり前です」 (同)…続きは本誌

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