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2024年11月25日

自民党のセミナーで語られた安部前首相の“ちょっといい話”

2021年04月27日

今振り返ると、安倍政権はまさに波乱万丈だった。第1次政権は突如、政権を投げたかのように1年で終わった。民主党政権の後を受けて誕生した第2次政権は7年8カ月に及んだが、「三本の矢」によるアベノミクスの経済政策あり、「地球儀を俯瞰する」という外交政策あり。拉致問題にも取り組んだが、思うような成果は上げることはできず。中国が台頭する中でインド太平洋地域が防衛上のフロントラインになりつつある。

 

人生のどん底

 

3月27日、安倍晋三前首相が来県し、自民党県連の政経文化セミナーで講演した。第2次安倍政権が誕生したのは平成24(2012)年12月。昨年8月に辞任するまでの7年8カ月は、憲政史上最長の連続在任日数だという。

 

首相という座の責任と重圧は計り知れない。それらから解放され、半年以上が過ぎた安倍前首相だが、メディアを通してのイメージより、ずっと快活な印象だ。

 

およそ600人が出席したセミナーで、安倍前首相は長年の支持と選挙での支援に対するお礼の言葉を述べ、講演に入った。最初に触れたのは平成18(2006)年にスタートした第1次安倍政権のこと。小泉純一郎元首相の退陣を受けて発足した安倍内閣は、約1年の短命に終わった。

 

その後、福田、麻生と、いずれもほぼ1年で首相が交代。そして同21(2009)年に民主党への政権交代となった。

 

「その(政権交代の)きっかけをつくったのは私であります。前の席の方、いま大きくうなずいていらっしゃいましたが、それは事実です」 (安倍前首相)

 

「戦後生まれ初で、最年少の首相」と期待されたが、あっけない幕切れ。「政治家としての自信が砕け散った」という。そんなある日、失意の安倍前首相のもとに来訪者があった。

 

「元経産官僚で第1次安倍内閣の広報官を務めた長谷川榮一氏が訪ねて来て、〝安倍さん、気分転換に山登りしませんか。高尾山(東京都八王子市にある標高599mの山)なら小学生でも登れます〟と言うんです。〝小学生でも〟というとこに引っかかったんですが」 (同)

 

行ってみると高尾山は人気スポットだけに、登山客も多かったという。

 

「まったく見ず知らずの方々から〝安倍さん、元気になったの? がんばれよ〟とずいぶん声をかけていただきました。あの時、人生のどん底にいたのですが、政治家として頑張ってみようと、少し自信が戻ってきたんです」 (同)…続きは本誌

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