詳報! 2021年大学入試合格者数 東大現役合格は13人
2021年04月27日
昨年の新学期早々は授業が行えず、紆余曲折のあった共通テストがスタートし、出願直前まで選抜方法の変更があるなど、波乱万丈ともいえる2021年の大学入試。平常の入試には程遠かった。ともあれコロナ騒動の中にあっても大学受験が無事に終わった。昨年に引き続き、いまだ全面的な対面授業は行えず、これからの授業はオンラインとの併用が普通になるのではないかとさえ言われている。その大学入試、本県の結果はどうだったか。今年もまた完全独自調査でリポートする。今月は主に合格者数を見ていく。
上位層は果敢にチャレンジ、中下位層は地元志向
今回の入試は「地元志向」になるだろうと盛んに言われていた。コロナ禍で大学の授業はオンライン化。入学したけれども、1年間、一度も顔を合わせない同期生がいたという笑えない事実も多々あった。コロナ感染者は、本県受験生に人気の首都圏に特に多く、「だったら地元の大学で」と考える受験生、保護者が増えるという予想だった。
結果は、そうだったとも言えるし、そうではなかったとも言えるものだった。
本誌の今回の調査によれば、本県高校生の新潟大合格者数は824人で昨年比19人増。国公立・私立大学を含めた県内大学合格者は4618人で昨年比85人増。この数字だけを見れば、地元志向だったと言えよう。
だが、「旧帝大・トップ10」(大学名は表Ⅴを参照)の合格者数は169人で、前年比25人増。「首都圏等難関国公立大」(同)は240人で12人減。首都圏を始めとする難関国公立大学に関しては、チャレンジ志向が減退することはなかったようだ。
大きく減ったのが私立大学だった。例年人気の「早慶上理」(大学名は表Ⅵを参照)、「GMARCH」(同)、「日東駒専」(同)は軒並み合格者を減らした。「成成独国明武」(同)だけが合格者数325人で、昨年比85人増と大きく数を増やした。
学力上位層に地元志向は見られなかったが、中位から下位層が地元に落ち着いたのが今回の入試結果だったと言えよう。
全国集計では首都圏私立大学が志願者を大幅に減らした。ということは、首都圏の大学の難易度がやや易化したと言える。
「大学の授業は、コロナが落ち着いても、対面とオンラインのハイブリッド型が主流になる可能性があります。どの大学に進もうが学びの環境が同じになるのなら、むしろ都市圏の難関大にチャレンジするということを次年度以降の入試では考えてもいいのではないでしょうか」
ある予備校関係者はそうアドバイスする。
さて、共通テストの導入、昨年初からのコロナ禍が今回の入試にどう影響したのかなど、本誌が今回の調査で各校に尋ねたところ、例年以上に多くの学校から回答を頂いた。今後の受験対策にも資する回答も数多く寄せられた。現場からの多くのアドバイスを本誌6月号以降でお届けするので参考にしてほしい。…続きは本誌