『アレルギーについて』
2021年03月26日
ポートクリニック好生堂副院長
渡邊 伸 氏
■医師データ
渡邊伸。昭和大学医学部卒。同大学第一内科入局。荏原病院、昭和大学江東豊洲病院、新潟大学病院呼吸器・感染症内科勤務などを経て現職。医学博士。
アレルギー疾患の増加が近年、著しい。身近な花粉症や食物アレルギーをはじめ、子供たちに多いアトピー性皮膚炎や気管支喘息、じんましんなど。これだけ多様化してくると、アレルギーも立派な現代病の一つと言えるのでは。そこで今回は、アレルギーの原因や症状、検査、治療などについて取り上げる。解説はポートクリニック好生堂の渡邊伸副院長にお願いした。
「アレルギーは、よく耳にすることがあると思いますが、厚生労働省の調査によると、3人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患していると示されており、非常に多くのかたが悩まされております。
私たちの体には、ウイルスなどの異物が体内に入ってきたときに外敵から守ろうとする免疫という仕組みが備わっています。とこ
ろが、この免疫の仕組みが食べ物や花粉などの体に害を与えないものに対して過剰に反応して悪影響をおこしてしまったものがアレルギーです。
アレルギーの原因物質は抗原もしくはアレルゲンと呼ばれており、卵や牛乳などの食物アレルギー、花粉やダニなどの吸入アレルギー、ラテックスなどの接触アレルギー、薬物などの薬物アレルギーに分類され、多岐にわたります。
症状は、アナフィラキシーショックやじんましんなどの全身的なもの、喘息などの呼吸器症状、下痢などの消化器症状など多様な症状をきたし、風邪だと思っていたら実際はアレルギーであった、などといったこともあります。また、2時間までに現れる即時型、6~
8時間後に現れる遅発型、24~48時間後に現れる遅発型、即時型に続き落ち着いた症状が半日後に再度悪化する二相性などがあり、急性期をやり過ごした後も1~2日は観察することが大切です。…続きは本誌