新潟県を財政指標で全国ワースト3に転落させた”犯人”は誰だ!?
2021年03月26日
県が財政危機に陥っていることはマスコミ報道を通じて広く県民に知られているところだ。その深刻度は47都道府県中、ワースト3に入るというから嘆かわしいかぎり。過去の失政が原因にほかならないが、責任の所在がまったく明確にされないままツケが回って来たのでは県民は到底納得がいかない。こんな貧しい新潟県にいったい誰がしたのか―。
新潟は北海道、兵庫とともに全国ワースト3入り
関係筋が話す。
「実質公債費比率が何%だとか、将来負担比率が何%だとか言ったところで大半の県民はまったくピンと来ませんよ。たしかに数字は大切ですが、それが全国的に見てどのくらいのレベルに位置するのかを県民に伝えるべきなのです」 (議会関係者)
県は2020年9月に〈地方公共団体財政健全化法に係る健全化判断比率等について〉と題する算定結果を公表している。
それによると、令和元年度の本県の実質公債費比率は16・6%、将来負担比率は326・7%だという。
実質公債費比率とは、地方公共団体の収入に対する地方債返済額の割合のことで、数値が高いほど地方債の借り入れ負担が大きく、財政の弾力性が低下していることを意味する。
また将来負担比率とは、地方公共団体の財政規模において将来的に負担が見込まれる負債の割合のことで、数値が高いほど地方債の借り入れ負担が大きく、将来的に財政を圧迫する可能性が高いことを意味する。
本県は現時点において実質公債費比率、将来負担比率ともに「早期健全化基準」と呼ばれる“危険水域”には達していないが、全国的には財政が極めてひっ迫している部類に入る。
実質公債費比率が最も高いのは北海道で、数値は20・7%。16・6%の本県は47都道府県中、北海道に次いでワースト2で、ワースト3が14・0%の兵庫県だ。
一方、将来負担比率の全国ワーストワンは兵庫県で、数値は338・8%。次いで高いのが326・9%の北海道で、326・7%の本県はこれに次ぐ全国ワースト3となっている。
前出の関係筋がいう。
「兵庫県が財政的にひっ迫している理由ははっきりしています。1995年に発生した阪神・淡路大震災からの復興のために莫大な予算を投じたからです」(同)
これに対して北海道は財政ひっ迫の主な要因として、これまで積極的に公共投資を実施してきたことや、収支不足を補填するために行政改革推進債や退職手当債を発行してきたことに伴う道債償還費の増加などを挙げている。
たしかに広大な土地を擁する北海道で積極的に公共投資をすれば、莫大なお金がかかるのは当然だ。
では実質公債費比率と将来負担比率で全国ワースト3の一角を占める本県には、財政がひっ迫するに至ったいかなる事情があったというのか?…続きは本誌